もうちょっとだけ、秘密。
「はい、感想をどうぞ!」

目を輝かせて催促してくるこなつに、前髪をかき上げて答える。

「ま、こなつよりは可愛いんじゃないの」
「な…!」

こなつは、何故か頬を赤らめて小さくモゴモゴと口を動かす。

「そんな言い方じゃ、この子の可愛さが分かんないじゃん…」
「そこかよ」

僕は画面から目を上げ、近くに放り出されているコンビニの袋を手繰り寄せる。そこからチョコ菓子を選んで口に運ぶ。

「あっ、勝手に食べないでよ!私が買ってきたやつでしょ」
「クラスメイトを夏休み終盤に、自分の課題消化に駆り出した罰」
「ぐぬぬ…それを言われると弱い」

唇を尖らせて指先をいじるこなつは、でも、と付け加える。

「…レオだから、頼っちゃうんだよ」
「どういうこと?」
「ん〜…」

こなつは少し言い淀む。それから、手の動きを止めて僕の瞳を見つめる。

「レオ、なんだかんだで優しいからさ、困ってたらいつも助けてくれるじゃん。だから拒まれない安心感があるの」
「………へぇ」
「現に、こうして課題溜め込んでも怒りながらでも手伝ってくれてるじゃん」
「まず、面倒ごとを後回しにする癖を治せ」
「てへっ♪」
「きもっ」
「言葉の暴力!」

身を乗り出して憤慨するこなつの額を押し返す。距離が近いんだよ…。

ストン、と腰を下ろしたこなつはしばらく頬を膨らませていたけれど、ふと思いついたかのように口を開く。

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