もうちょっとだけ、秘密。
全く、どうして課題というものは学生に付き纏ってくるのだろう。
遊びたい盛りのお年頃の少年少女にとって、軽く拷問だと思うのは私だけ?
「終わんない〜」
解いても解いても減らない問題に、ついつい弱音を吐く。
「こなつ、ほんっとバカだよね」
「それ今日聞くの13回目…」
自分がバカなことなんて、とっくのとうに知ってますー。
でもさすがに、この怠慢の結果にはうんざりかも…。
「だーかーらー、課題は計画的にってあれほど口酸っぱく言ったよね?」
「ご利用は計画的に、風に言わないでよ。なんか、ろくでなしみたいに聞こえるじゃん」
「実際そうだろ」
お小言を吐きながら、レオはシャーペンのおしりで私のおでこをしつこく小突く。これが絶妙に痛い。
「こなつ、本当に脳味噌詰まってる?」
悪態をつつくレオは、ぱっと見、涼しい表情を保っているけれど、どことなく疲労が滲み出ている。
…そりゃそうだよね。
私はちょくちょく思考停止してたからともかく、レオはノンストップで問題を解いてくれている。そろそろ、疲れてくるはず。