残念なイケメン(ストーカー)が追いかけてくるのでどなたか110番通報お願いします。



(あぁ、全身に染み渡る、温かくて優しい味噌汁味・・・・・・!!!)
 


 懐かしいお母さんの味ならぬ、懐かしい恋の味・・・・・なんか言い方が気持ち悪いな。口に出すのはやめよう。



 思えば、お母さんとお父さんは夜勤が多くかったため、朝は恋が私たち兄弟を起こして3人分の朝ごはんを作り、夕飯の用意までしてくれていたことがちょっとだけ・・・・・いやだいぶあった。


 
 なんなら起こしにくるのがめんどくさいからと、恋はよくうちに泊まったりもしていた気がする。泊まるというより、ほぼ居候と言った方が正しいかな?



 ・・・・・・・あの頃は考えてなかったけど、一ノ瀬財閥の御曹司があんなに家を空けていてよかったのだろうか。
 


(あいつ、一年の半分は私の家にいたよね・・・・・?)



 美味しい和食をもぐもぐと、静かに噛み締めながらそんなことを思う。


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