ちょっと不運な私を助けてくれた騎士様が溺愛してきます
言っただろ
「俺と結婚するって言っただろ⁈ 」
大声を出すジークの前には、優雅に紅茶を飲む第一王女エリーゼがいる。
「言ったかしら……忘れたわ」
「リー!」
エリーゼ王女は、美しい緑色の目でジークをチラリと見て、すぐに目を逸らす。
「オスカーに『花』が現れたら、俺と結婚してもいいって言っただろ? 王様もいいと言ってんのに
何が不満なんだよ」
エリーゼ王女はカップに描かれた模様を見つめ、小さな声で言った。
「……ジークはオスカー様じゃないもの」
「そんなの当たり前だろう!」
**
先日、エリーゼ王女の想い人、オスカー・レイナルドは『花』と結婚した。
彼は竜獣人だ。
この国で最も強くその容姿は美しいとされる竜獣人。謎の多い種族でもあり、一般には知らされていない事も多かった。
そう、『花』という存在がある事も、あまり知らされていない。
大声を出すジークの前には、優雅に紅茶を飲む第一王女エリーゼがいる。
「言ったかしら……忘れたわ」
「リー!」
エリーゼ王女は、美しい緑色の目でジークをチラリと見て、すぐに目を逸らす。
「オスカーに『花』が現れたら、俺と結婚してもいいって言っただろ? 王様もいいと言ってんのに
何が不満なんだよ」
エリーゼ王女はカップに描かれた模様を見つめ、小さな声で言った。
「……ジークはオスカー様じゃないもの」
「そんなの当たり前だろう!」
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先日、エリーゼ王女の想い人、オスカー・レイナルドは『花』と結婚した。
彼は竜獣人だ。
この国で最も強くその容姿は美しいとされる竜獣人。謎の多い種族でもあり、一般には知らされていない事も多かった。
そう、『花』という存在がある事も、あまり知らされていない。