ちょっと不運な私を助けてくれた騎士様が溺愛してきます

会いたくてたまらなかった

「あの時、シャーロットが本当の名前を言ってくれて助かったよ」

…… そうだ、別れ際急いで名前を聞かれて、咄嗟にディーバンの名も言ってしまっていた……

「僕はね、父に教えられたんだ。『花』と巡り逢っていると…… 」

「本当に…… 私が…… ?」

「そうだよ間違いない、シャーロット……僕の瞳を見つめてみて……」

そう言われて彼の瞳を見つめると、青かった瞳が金色へと変わっていく。

「金色に……」

「竜獣人は『花』と呼ぶその人と見つめ合うと、瞳が金色に変わるんだって…… 」

 彼の金色の瞳は蕩けるように揺めき、私を見つめる。

「僕はシャーロットに初めて会った時から惹かれていた」

「私……」

「獣人のように、直ぐには分からないかも知れないけれど、僕達は互いに惹かれ合う存在なんだよ」

 エスター様は私の手を取り口付けをする。そこからまた熱を持ったかのように体が熱くなっていく。

「ずっと会いたくてたまらなかった……」

「エスター様…… 」

 彼の手が私の頬に添えられて、指先で耳朶を優しく撫でられる。
だんだんとエスター様の顔が私に近づいてくる。私達は吐息がかかるほど近付き……
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