ちょっと不運な私を助けてくれた騎士様が溺愛してきます

一緒に入るよ

部屋に入って来た彼は私を抱き抱え、廊下に出ると何処かへ真っ直ぐ歩き出した。

「ど、どこにいくの⁈ 」
「浴室」
「お風呂?」
「うん、一緒に入るよ」

………えっ⁈

「ちょっ、ちょっと待って、私」
「待たない」

 あっという間に着いてしまった浴室は大人が何人も入れる程広かった。
丸い浴槽には乳白色のお湯が張られ、赤い薔薇の花びらが浮かべられていた。お湯で温まった花びらからか、とても良い香りがする。

「エスター」
「何?」

浴室で、ガウンを脱がせようとする彼の手を私は必死に抑えていた。

「一人で入りたいです」
「だめ」

私はエスターを見上げて
今までやったことはないけれど、甘えたように瞳を潤ませ( 多分出来ていると思う)
彼に懇願した。

「お願い……」


だって、キスもまだしていないのに……


二人でお風呂って、恥ずかしすぎる!
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