ちょっと不運な私を助けてくれた騎士様が溺愛してきます
懇願して見上げるけれど
エスターは何も言わず金色の瞳で私を見つめているだけ

「お願い……」
( お風呂は別々に入りたいの )


「エスター」

名前を呼んだ、その時


私を見つめるエスターの顔が、吐息がかかる程近くなり

私の唇に彼の熱い唇が重なった

「ん…っ………」

突然の事に弱く抵抗する私を、彼は離さないように抱え込みキスを落とす。
幾度も角度を変えてエスターはキスをする。

「シャーロット」
唇を離しては、私の名前を甘い掠れた声で呼び、また口付ける
「は……っ………」
私はその間に息をするのがやっとで、エスターと呼ぶ余裕なんてなかった。

重なりあう唇は、甘く優しく……そしてそれはだんだんと深く激しくなっていく……
「シャーロット……」
彼が名前を呼ぶたびに体の奥底が甘く痺れた。
私は、いつの間にかしがみ付くように彼のキスを受け入れていた。溶け合ってしまいそうな口付けを、私達はどれくらいの時間交わしていたのか…

……ようやくエスターが唇を離した。


名残惜しそうな顔で私の頬を撫でながら、先程迄と変わらぬ甘く掠れた声で囁く。

「お風呂、今は別でいいよ……ゆっくり入って……僕は少し落ち着いたから……。それに、このままだと抑えが効かなくて……君を壊してしまいそうだ」

エスターは私の額に軽くキスをして、浴室を出た。


パタンと閉まる扉の音で、私の体の力は抜け落ちてその場に座り込んでしまった。

( ……すっ、凄かった……… )
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