ちょっと不運な私を助けてくれた騎士様が溺愛してきます
「エスター……」
「うん」
不意に後ろから抱きすくめられた。
「ビックリした……」
「ごめん、驚かせるつもりじゃなかった」
急いで来たのだろうか、まだ濡れた銀の髪が私の肩に触れる。
「シャーロット、何か僕に聞きたい事があるんだって?」
「どうして……それ」
「さっきカミラに会って言われた、ちゃんと話しろって」
カミラは母上と同様の存在で、子供の頃はよく怒られたんだ、そう柔らかく話すエスター。
まだ青い瞳のエスターが、窓ガラス越しに私を見つめている。
( なんてカッコいいんだろう……)
「シャーロット、何か不安がある?」
彼は私の髪にチュッと音を立ててキスを落とした。
「話して、ちゃんと答えるから」
( 本当に聞いてもいいの?)
「……マリアナ王女様と」
「えっ? マリアナ⁈ 」
エスターは驚いて私を抱く腕を離した。
(『マリアナ』? 呼び捨て? やっぱりそういう関係なの?)
「今日……何してたの……?」
疑ってしまう私の声は、少し低くなった。
「今日? いや、何も……特には」
何でも答えると言ったのに、エスターは何故か口籠る。それに上擦った様な声……。
(……やっぱり二人は……)
聞くのが怖くなった私は、彼から少し離れて背を向けた。
「シャーロット、どうしたの? 怒ってるよね?」
エスターが私の前に来て顔を覗き込む。
目と目が合い、彼の青かった瞳はスッと金色に変わった。
「キス……」
( 聞きたかった事……)
「キス? え……する?」
彼の顔がスッと近づいてきて、私は手で口を覆った。
「違うのっ……エスターが、キス……慣れていたから……」
「慣れてた……?」
「もしかして、ううん……経験あるよね、私初めてだったから」
「初めて……」
「エスターはマリアナ王女様と……キスした事あるんだろうなって」
「何でマリアナ……」
( ……また、呼び捨てた……)
「本当は……二人は付き合ってたんじゃないの?」
「違うよ、そんなんじゃ無い」
「だって……」
私は、やはり聞かなければよかったと後悔していた。彼が、困った様な顔をしている。
「はぁ………」
エスターは深くため息を吐くと、私の手を取り、指先にキスをした。
「キス……よかった?」
クスッと悪戯にわらって、今度は手のひらにキスをする。
「竜獣人はね、目が良いんだよ。それでね、レオンのやり方をしっかり見てたから、下手だと思われたくないし……」
彼は目を細め、私をそっと抱きしめた。
「そうか……シャーロットは嫉妬してるんだね……」
「……そ、それは」
「王女とは何も無いよ、ある訳ない……でも、こうして可愛く嫉妬する君を見れた訳だ」
「……でも」
「どうしたら、僕が愛してるのは君だけだと分かってもらえるかな……」
そう話すエスターの私を見つめる瞳は、欲を孕んでいるように見えた。
「うん」
不意に後ろから抱きすくめられた。
「ビックリした……」
「ごめん、驚かせるつもりじゃなかった」
急いで来たのだろうか、まだ濡れた銀の髪が私の肩に触れる。
「シャーロット、何か僕に聞きたい事があるんだって?」
「どうして……それ」
「さっきカミラに会って言われた、ちゃんと話しろって」
カミラは母上と同様の存在で、子供の頃はよく怒られたんだ、そう柔らかく話すエスター。
まだ青い瞳のエスターが、窓ガラス越しに私を見つめている。
( なんてカッコいいんだろう……)
「シャーロット、何か不安がある?」
彼は私の髪にチュッと音を立ててキスを落とした。
「話して、ちゃんと答えるから」
( 本当に聞いてもいいの?)
「……マリアナ王女様と」
「えっ? マリアナ⁈ 」
エスターは驚いて私を抱く腕を離した。
(『マリアナ』? 呼び捨て? やっぱりそういう関係なの?)
「今日……何してたの……?」
疑ってしまう私の声は、少し低くなった。
「今日? いや、何も……特には」
何でも答えると言ったのに、エスターは何故か口籠る。それに上擦った様な声……。
(……やっぱり二人は……)
聞くのが怖くなった私は、彼から少し離れて背を向けた。
「シャーロット、どうしたの? 怒ってるよね?」
エスターが私の前に来て顔を覗き込む。
目と目が合い、彼の青かった瞳はスッと金色に変わった。
「キス……」
( 聞きたかった事……)
「キス? え……する?」
彼の顔がスッと近づいてきて、私は手で口を覆った。
「違うのっ……エスターが、キス……慣れていたから……」
「慣れてた……?」
「もしかして、ううん……経験あるよね、私初めてだったから」
「初めて……」
「エスターはマリアナ王女様と……キスした事あるんだろうなって」
「何でマリアナ……」
( ……また、呼び捨てた……)
「本当は……二人は付き合ってたんじゃないの?」
「違うよ、そんなんじゃ無い」
「だって……」
私は、やはり聞かなければよかったと後悔していた。彼が、困った様な顔をしている。
「はぁ………」
エスターは深くため息を吐くと、私の手を取り、指先にキスをした。
「キス……よかった?」
クスッと悪戯にわらって、今度は手のひらにキスをする。
「竜獣人はね、目が良いんだよ。それでね、レオンのやり方をしっかり見てたから、下手だと思われたくないし……」
彼は目を細め、私をそっと抱きしめた。
「そうか……シャーロットは嫉妬してるんだね……」
「……そ、それは」
「王女とは何も無いよ、ある訳ない……でも、こうして可愛く嫉妬する君を見れた訳だ」
「……でも」
「どうしたら、僕が愛してるのは君だけだと分かってもらえるかな……」
そう話すエスターの私を見つめる瞳は、欲を孕んでいるように見えた。