ちょっと不運な私を助けてくれた騎士様が溺愛してきます
ぶつぶつと誰かが話す声に意識が戻る。
「ん……」
重い瞼を開いて体をなんとか起こした。
「……ここは?」
( さっきまでホールに居たのに……そういえば急に眠くなったんだ )
手元には私が着けていた仮面が落ちている。
まとめ上げていた髪もいつの間にか解けていて肩に触れた。
「やぁシャーロットちゃん、おはよう」
ハッとして声の方を見上げると、さっきまで一緒にいたカイン様が私を見下ろしている。
「うん、いいね。やっぱり私好みだ」
「……何を言っているの?」
訝しげに見る私に、彼はコップを差し出してくる。
「喉、渇いてない?」
「……渇いてません」
( この人、また何か飲ませるつもりなの? )
彼は疑っている私の顔に気がついたようだ。
「ジュースだよ、今度は何も入れてない。……喉、渇いているはずだよ?さっきのアレ飲んだんだから」
彼の言う通り確かに喉はカラカラだった。
それに何故か体も熱い。
……でも
カイン様はさっきから私の体を見ている様だ。
…………?
はた、と自分の体に視線を移せば、ちゃんと着ていたはずのドレスは腰のあたりまではだけ胸の下着が見えていた。
「きゃあっ、どうしてっ⁈ 」
慌ててドレスを引っ張るが上手くいかず、そこにあった上掛けを体に巻き付けて身を隠した。
いまさらだけど……うっ……下着姿見られた。
「私が脱がせた途端に防御魔法が発動してさ、残念ながら君に触れなくなっちゃった」
……脱がせたと言った?
「どうして脱がせたのっ」
「そりゃあ、脱がせてする事は一つでしょ?」
信じられない! 私は彼に軽蔑の眼差しを向ける。
「ま、そんな顔しなくても未遂だし、魔法で触れなかったんだしさ、ほらジュースでも飲んでよ。ここに置くから」
コップに注がれたジュースをトレーに載せ、ベッドの上に置くとカイン様は少し離れた。
「どうぞ、体の為にも飲んだ方がいいよ。そのままだと息が苦しくなるかもしれない」
体の為と言われ、私はコップを手に取った。分からないけれど一応匂ってみる。ぶどうのジュースの様で、他には何も変な匂いはしない。
……でも、大丈夫? 本当に?
「正真正銘のジュースだよ、神に誓ってもいい」
カイン様は祈るような仕草をする。
強い喉の渇きに、私は恐る恐る口にした。
コクリと一口飲む。ちょうどいい甘さが体に沁み渡る。そのままコクコクと飲み進め喉を潤した。
「おいしい……」
「はぁ、良かった。信じてくれたんだ」
「えっ!」
「いや、違うそうじゃないよ、本物のジュースだから! ああ、やっぱり一度でも騙すと信じてもらえなくなるよね」
カイン様は「私も飲もう」と言うと、そこにある樽からコップに並々と注ぎ、ゴクゴクと喉を鳴らして飲み干す。
「それで……どうして私はここにいるの?」
「あー、頼まれたんだ」
「頼まれた?」
「そ、仕事でね」
「仕事? 子爵の?」
私が尋ねると彼はクスリと笑った。
「私は子爵ではないんだ」
「じゃあ……何?」
「ん……」
重い瞼を開いて体をなんとか起こした。
「……ここは?」
( さっきまでホールに居たのに……そういえば急に眠くなったんだ )
手元には私が着けていた仮面が落ちている。
まとめ上げていた髪もいつの間にか解けていて肩に触れた。
「やぁシャーロットちゃん、おはよう」
ハッとして声の方を見上げると、さっきまで一緒にいたカイン様が私を見下ろしている。
「うん、いいね。やっぱり私好みだ」
「……何を言っているの?」
訝しげに見る私に、彼はコップを差し出してくる。
「喉、渇いてない?」
「……渇いてません」
( この人、また何か飲ませるつもりなの? )
彼は疑っている私の顔に気がついたようだ。
「ジュースだよ、今度は何も入れてない。……喉、渇いているはずだよ?さっきのアレ飲んだんだから」
彼の言う通り確かに喉はカラカラだった。
それに何故か体も熱い。
……でも
カイン様はさっきから私の体を見ている様だ。
…………?
はた、と自分の体に視線を移せば、ちゃんと着ていたはずのドレスは腰のあたりまではだけ胸の下着が見えていた。
「きゃあっ、どうしてっ⁈ 」
慌ててドレスを引っ張るが上手くいかず、そこにあった上掛けを体に巻き付けて身を隠した。
いまさらだけど……うっ……下着姿見られた。
「私が脱がせた途端に防御魔法が発動してさ、残念ながら君に触れなくなっちゃった」
……脱がせたと言った?
「どうして脱がせたのっ」
「そりゃあ、脱がせてする事は一つでしょ?」
信じられない! 私は彼に軽蔑の眼差しを向ける。
「ま、そんな顔しなくても未遂だし、魔法で触れなかったんだしさ、ほらジュースでも飲んでよ。ここに置くから」
コップに注がれたジュースをトレーに載せ、ベッドの上に置くとカイン様は少し離れた。
「どうぞ、体の為にも飲んだ方がいいよ。そのままだと息が苦しくなるかもしれない」
体の為と言われ、私はコップを手に取った。分からないけれど一応匂ってみる。ぶどうのジュースの様で、他には何も変な匂いはしない。
……でも、大丈夫? 本当に?
「正真正銘のジュースだよ、神に誓ってもいい」
カイン様は祈るような仕草をする。
強い喉の渇きに、私は恐る恐る口にした。
コクリと一口飲む。ちょうどいい甘さが体に沁み渡る。そのままコクコクと飲み進め喉を潤した。
「おいしい……」
「はぁ、良かった。信じてくれたんだ」
「えっ!」
「いや、違うそうじゃないよ、本物のジュースだから! ああ、やっぱり一度でも騙すと信じてもらえなくなるよね」
カイン様は「私も飲もう」と言うと、そこにある樽からコップに並々と注ぎ、ゴクゴクと喉を鳴らして飲み干す。
「それで……どうして私はここにいるの?」
「あー、頼まれたんだ」
「頼まれた?」
「そ、仕事でね」
「仕事? 子爵の?」
私が尋ねると彼はクスリと笑った。
「私は子爵ではないんだ」
「じゃあ……何?」