ちょっと不運な私を助けてくれた騎士様が溺愛してきます
一日がやっと終わる。入浴を済ませ、ベッドに入った。
ベッドサイドの橙色の灯りが部屋の中をほんのりと映し出している。
ガイア公爵閣下の応援に行かれているヴィクトール様は、明後日には帰って来られる。
魔獣の討伐は終わっており、後処理を手伝ってから帰られるそうだ。
……エスター達がいる場所の魔獣討伐はまだ終わらないのだろうか。
あと何日待てば彼に会える?
一人では広すぎる客間のベッドの端に身を寄せて、ベッドサイドの灯りはそのままに、目を閉じた。
エスター……今……何をしているの?
私……
「エスター」
淋しいよ……
*
なんだろう……背中が温かい
首にかかる髪が持ち上げられ柔らかな物が触れる。
くすぐったい……
「シャーロット……」
耳元で、愛しい人の甘く掠れた声がする。
チュ、チュ、と首筋に……肩に温かなものが触れる。
「……エスター?」
目を開けて振り向けば、会いたいと焦がれていたエスターが青い目で私を見つめていた。
「…………っ」
会えたことが嬉しくて、私はそのままぎゅっと彼に抱きついた。
「エスター……会いたかった……」
「僕もだ」
彼は私を強く抱きしめると、髪に額に目尻に幾度もキスを落としていく。
「少し痩せたね……淋しかった?」
「うん……すごく」
涙ぐむ私に、せつなげな表情をした彼が優しく唇を重ねた。
会えなかった時を埋めるかのように、何度も柔らかな口づけが落とされる。
彼の熱い舌先にゆっくりと開かれた唇からは、甘い吐息が漏れる。それが合図かのように、口づけは激しく深くなって、私達は互いに求め合うように唇を重ね続けた。
「いつ……帰って来たの?」
口づけの合間に尋ねる私に、エスターは「余裕だな」と笑った。
いつのまにか彼の瞳は美しい金色に変わっている。
「さっき…………ここにくる前に体はしっかり洗ってきたから、臭くないと思うけど……」
少し不安そうな顔でエスターが尋ねた。
私はクスッと笑って、彼の髪を両手で掻き上げながら、熱情のある金色の瞳を見つめた。熱く蕩けるようなその目にすべて溶かされてしまいたくなる。
「うん、いい匂いがする」
「よかった」
そのまま、ねだるようにエスターに縋りつくと、優しく抱きしめ、全身を愛してくれた。
「つ、疲れて……いないの?」
もう何度、快楽の果てへと押し上げられたか分からない。
彼は凄艶な顔で私を見下ろし、片手で髪を掻き上げながらフッと笑った。
「全然、よゆう」
エスターは艶やかな笑みを浮かべ、私の胸に顔を沈めていく。
「……はっ……あ……んんっ……」
「僕が満足する迄付き合って……」
「……ん…………」
( たぶん無理……)
窓の外は段々と明るくなってきている。
最初優しかった彼の手は、だんだんと激しく求めてくる。衣擦れの音と甘くせつなげな息づかいが、二人が愛し合う部屋の中に淫靡に響いていた。
「ん…………ああっ……っ」
「まだ……まだだよ、シャーロット……」
私の唇から吐息とともに漏れる嬌声は、時とともに弱くなっていく。
「シャーロット……」
求めるように名前を呼ばれる度、体の奥は甘く痺れるけれど彼の欲望に答える力は、私にはもうほとんどなかった。
「あっ…………エスター……」
甘えたように彼の名を呼ぶ声も、だんだんとか細くなっていく。
「エスター……ごめん……なさい……も……むり」
そう告げた私はそのまま意識を手放した。
彼と離れている間、不安でよく眠れていなかったのだからしょうがない。会えた事で安心し、愛されて疲れきった私は、落ちるように眠りについた。
「えっ、シャーロット⁈ まだ僕、足りないんだけど……ちょっ……ええっ!」
エスターの抑圧されていた欲望は限界を知らなかった。
( 竜獣人に限界など無いのだが……)
頬を撫でても口づけてもシャーロットは起きない、ならばと艶かしくさらけだされたままの胸を悪戯に触ってみたが、体を捩るばかりで完全に寝てしまっている。
まだ睦あってそう時間は経っていない。
( エスターはそう思っている)
17歳のエスターは、今回ばかりはちょっと我慢が出来そうになく、ガウンを着て部屋の中にあるはずの物を探した。
ーー回復薬がどこかにあるはずだーー
レイナルド公爵家の全ての部屋には、何故か回復薬が最低でも一つは置いてある。
エスターは客間を見回した。
ベッドサイドの上にはガラスの水差しとグラスが一つだけ。
窓辺には花が飾られている……
棚には数冊の本しか入っていない。
引出しの中か……
「……何、これ」
机の引き出しには回復薬と手紙、そして小さな袋が入れてあった。
ベッドサイドの橙色の灯りが部屋の中をほんのりと映し出している。
ガイア公爵閣下の応援に行かれているヴィクトール様は、明後日には帰って来られる。
魔獣の討伐は終わっており、後処理を手伝ってから帰られるそうだ。
……エスター達がいる場所の魔獣討伐はまだ終わらないのだろうか。
あと何日待てば彼に会える?
一人では広すぎる客間のベッドの端に身を寄せて、ベッドサイドの灯りはそのままに、目を閉じた。
エスター……今……何をしているの?
私……
「エスター」
淋しいよ……
*
なんだろう……背中が温かい
首にかかる髪が持ち上げられ柔らかな物が触れる。
くすぐったい……
「シャーロット……」
耳元で、愛しい人の甘く掠れた声がする。
チュ、チュ、と首筋に……肩に温かなものが触れる。
「……エスター?」
目を開けて振り向けば、会いたいと焦がれていたエスターが青い目で私を見つめていた。
「…………っ」
会えたことが嬉しくて、私はそのままぎゅっと彼に抱きついた。
「エスター……会いたかった……」
「僕もだ」
彼は私を強く抱きしめると、髪に額に目尻に幾度もキスを落としていく。
「少し痩せたね……淋しかった?」
「うん……すごく」
涙ぐむ私に、せつなげな表情をした彼が優しく唇を重ねた。
会えなかった時を埋めるかのように、何度も柔らかな口づけが落とされる。
彼の熱い舌先にゆっくりと開かれた唇からは、甘い吐息が漏れる。それが合図かのように、口づけは激しく深くなって、私達は互いに求め合うように唇を重ね続けた。
「いつ……帰って来たの?」
口づけの合間に尋ねる私に、エスターは「余裕だな」と笑った。
いつのまにか彼の瞳は美しい金色に変わっている。
「さっき…………ここにくる前に体はしっかり洗ってきたから、臭くないと思うけど……」
少し不安そうな顔でエスターが尋ねた。
私はクスッと笑って、彼の髪を両手で掻き上げながら、熱情のある金色の瞳を見つめた。熱く蕩けるようなその目にすべて溶かされてしまいたくなる。
「うん、いい匂いがする」
「よかった」
そのまま、ねだるようにエスターに縋りつくと、優しく抱きしめ、全身を愛してくれた。
「つ、疲れて……いないの?」
もう何度、快楽の果てへと押し上げられたか分からない。
彼は凄艶な顔で私を見下ろし、片手で髪を掻き上げながらフッと笑った。
「全然、よゆう」
エスターは艶やかな笑みを浮かべ、私の胸に顔を沈めていく。
「……はっ……あ……んんっ……」
「僕が満足する迄付き合って……」
「……ん…………」
( たぶん無理……)
窓の外は段々と明るくなってきている。
最初優しかった彼の手は、だんだんと激しく求めてくる。衣擦れの音と甘くせつなげな息づかいが、二人が愛し合う部屋の中に淫靡に響いていた。
「ん…………ああっ……っ」
「まだ……まだだよ、シャーロット……」
私の唇から吐息とともに漏れる嬌声は、時とともに弱くなっていく。
「シャーロット……」
求めるように名前を呼ばれる度、体の奥は甘く痺れるけれど彼の欲望に答える力は、私にはもうほとんどなかった。
「あっ…………エスター……」
甘えたように彼の名を呼ぶ声も、だんだんとか細くなっていく。
「エスター……ごめん……なさい……も……むり」
そう告げた私はそのまま意識を手放した。
彼と離れている間、不安でよく眠れていなかったのだからしょうがない。会えた事で安心し、愛されて疲れきった私は、落ちるように眠りについた。
「えっ、シャーロット⁈ まだ僕、足りないんだけど……ちょっ……ええっ!」
エスターの抑圧されていた欲望は限界を知らなかった。
( 竜獣人に限界など無いのだが……)
頬を撫でても口づけてもシャーロットは起きない、ならばと艶かしくさらけだされたままの胸を悪戯に触ってみたが、体を捩るばかりで完全に寝てしまっている。
まだ睦あってそう時間は経っていない。
( エスターはそう思っている)
17歳のエスターは、今回ばかりはちょっと我慢が出来そうになく、ガウンを着て部屋の中にあるはずの物を探した。
ーー回復薬がどこかにあるはずだーー
レイナルド公爵家の全ての部屋には、何故か回復薬が最低でも一つは置いてある。
エスターは客間を見回した。
ベッドサイドの上にはガラスの水差しとグラスが一つだけ。
窓辺には花が飾られている……
棚には数冊の本しか入っていない。
引出しの中か……
「……何、これ」
机の引き出しには回復薬と手紙、そして小さな袋が入れてあった。