ちょっと不運な私を助けてくれた騎士様が溺愛してきます

もう一度蜜月を

夕方になって私達がレイナルド邸に帰ると、ヴィクトール様からオスカー様が『花』と出会われてそのまま蜜月に入ったと教えられた。

 お相手は私達がブーケを頼んだ花屋の娘さん。本来来る予定だったお母様が急に抜けられない用事が入り、代わりに来られたらしい。
オスカー様がご両親に事情を話、了承を得てそのままお部屋へ入られたそうだ。



「オスカーは、僕達の結婚式には出られないね」

 少し残念そうに、けれどホッとした顔をしたエスターが話す。

「結婚式、先に延ばす?」

「いや、オスカーがいつ蜜月を終えるか分からないからね。それに……もう僕が待てない」
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