ちょっと不運な私を助けてくれた騎士様が溺愛してきます
シャル
結婚式を終え、一ヶ月が過ぎた。
エスターとシャーロットはレイナルド公爵から譲り受けた屋敷に住んでいる。
今、レイナルド公爵邸には両親とオスカー、その『花』であるティナ嬢が住んでいる。
二人も公爵邸に住むつもりでいたが蜜月の後、エスターとヴィクトールが公爵邸の彼の部屋を壊してしまい、さらにエスターがプロポーズをする為だけに広間に変えてしまった。
それに、あの邸ではシャーロットとゆっくり過ごせないという理由でこの屋敷に住み始めたのだ。
( 公爵邸では……何かと良いところで邪魔が入る )
ーーが、エスターは改めて気が付いてしまった。
自分が仕事に行っている時は彼女が一人になってしまう。彼女を一人にしない為、公爵邸に住んでいたのだという事に。
心配になったエスターは、仕事の日はレイナルド公爵邸まで連れて行く、とシャーロットに言った。
しかし、彼女がそれはダメだと断った。
「結婚したのよ? メイドをしていたおかげで家のことも出来るし、お料理も出来る様になったの。私は一人でも大丈夫、そんなに心配しないで」と言う。
……しかし
( ……彼女一人では全く安心できない )
シャーロットは過去に二度も攫われた事があるのだ。どちらもマリアナ王女が絡んではいたが……それに、離れているとなぜかおかしな男が寄ってくる。
考えたエスターは父ヴィクトールに話をし、レイナルド公爵家から、信用できる者達を屋敷に連れてくる事にした。
公爵家執事バロンの息子で、自分よりも十五歳年上の執事ジェラルドとその妻のドロシー。そしてコックのクレアとその夫で護衛のダンの四人だ。
皆で住む事を伝えると、シャーロットは家族が増えたと喜んだ。
長期の休みを終え、仕事へ行く様になったエスターは、二週間前に第二騎士団の副隊長へ移動となった。
オスカーが『花』と出会い、力が増した為二人が同じ第三騎士団にいては、他の騎士団と力の差があり過ぎる、と考えたヴィクトールが二人を分ける事にしたのだ。
オスカーはそのまま第三騎士団隊長に、エスターは第二騎士団副隊長となった。コレによって第四騎士団に集められていた女性騎士達はまた振り分けられ、キャロンは第三騎士団へと戻された。彼女はオスカーには何ら興味はないからだ。
エスターが結婚式を挙げた事で、周りにもシャーロットの存在は認知された。マリアナ王女様もこの国にいない今、これでエスターに言い寄る者はいなくなるだろう、と誰もが思っていた。
エスターとシャーロットはレイナルド公爵から譲り受けた屋敷に住んでいる。
今、レイナルド公爵邸には両親とオスカー、その『花』であるティナ嬢が住んでいる。
二人も公爵邸に住むつもりでいたが蜜月の後、エスターとヴィクトールが公爵邸の彼の部屋を壊してしまい、さらにエスターがプロポーズをする為だけに広間に変えてしまった。
それに、あの邸ではシャーロットとゆっくり過ごせないという理由でこの屋敷に住み始めたのだ。
( 公爵邸では……何かと良いところで邪魔が入る )
ーーが、エスターは改めて気が付いてしまった。
自分が仕事に行っている時は彼女が一人になってしまう。彼女を一人にしない為、公爵邸に住んでいたのだという事に。
心配になったエスターは、仕事の日はレイナルド公爵邸まで連れて行く、とシャーロットに言った。
しかし、彼女がそれはダメだと断った。
「結婚したのよ? メイドをしていたおかげで家のことも出来るし、お料理も出来る様になったの。私は一人でも大丈夫、そんなに心配しないで」と言う。
……しかし
( ……彼女一人では全く安心できない )
シャーロットは過去に二度も攫われた事があるのだ。どちらもマリアナ王女が絡んではいたが……それに、離れているとなぜかおかしな男が寄ってくる。
考えたエスターは父ヴィクトールに話をし、レイナルド公爵家から、信用できる者達を屋敷に連れてくる事にした。
公爵家執事バロンの息子で、自分よりも十五歳年上の執事ジェラルドとその妻のドロシー。そしてコックのクレアとその夫で護衛のダンの四人だ。
皆で住む事を伝えると、シャーロットは家族が増えたと喜んだ。
長期の休みを終え、仕事へ行く様になったエスターは、二週間前に第二騎士団の副隊長へ移動となった。
オスカーが『花』と出会い、力が増した為二人が同じ第三騎士団にいては、他の騎士団と力の差があり過ぎる、と考えたヴィクトールが二人を分ける事にしたのだ。
オスカーはそのまま第三騎士団隊長に、エスターは第二騎士団副隊長となった。コレによって第四騎士団に集められていた女性騎士達はまた振り分けられ、キャロンは第三騎士団へと戻された。彼女はオスカーには何ら興味はないからだ。
エスターが結婚式を挙げた事で、周りにもシャーロットの存在は認知された。マリアナ王女様もこの国にいない今、これでエスターに言い寄る者はいなくなるだろう、と誰もが思っていた。