アンドロイド・ニューワールドⅡ
結果。

公正なくじ引きによって、選ばれたのは。

鮭茶漬け、ステーキ、ポタージュ、ロールケーキの4品でした。

…何だか、和と洋が絶妙に組み合わさっている気がしなくもないですが。

これが厳正なくじ引きの結果なのですから、納得しましょう。

「では、献立はこれで決まりですね」

「これって、栄養のバランス取れてるのかな…?野菜が少なくない…?」

と、奏さんは心配そうに言いました。

しかし、その心配は必要ありません。

「大丈夫です、奏さん。鮭茶漬けは万能です。お茶漬けの中に、野菜を仕込みましょう」

「え…っと。お茶漬けって、そういう食べ物だっけ…?」

「それでは献立が決まったので、次は誰が何を作るのか、その役割分担について決めましょう」

と、私は言いました。

これは難しいところですね。

メニューは4品あって、私達は6人いる訳ですから…。

一人一品担当だと、二人余ることになります。

作るのが大変そうなメニューに、残る二人を配置しましょう。

「この中で、作るのが面倒なメニューは何でしょう」

「どれも結構難しそうだけど…。でもやっぱり、一番難しいのは、ロールケーキじゃないかな」

と、奏さんは言いました。

そうなんですか。

作ってみたことがないので、私には判断しかねます。

が、お茶漬けを作ることが出来た私なら、きっとロールケーキも容易いでしょう。

「言い出しっぺがやれば良いじゃん。ロールケーキとか言い出したの、女子共だろ?」

と、男子生徒は言いました。

「ちょっと、何よ。私達に押し付ける気?」

「お前らが作りたいって言ったんじゃないか。なら責任取れよ」

「そうやって、自分は楽なもの作ろうとしてるんでしょ?」

「当たり前だろ?だから、俺は簡単なものにしようって言ったんだ。面倒臭い注文をつけたのはお前らなんだから、お前らがやれよ」

と、またしても男子生徒と湯野さん達女子生徒の間で、喧嘩が起こっています。

どうどう。

「皆さん落ち着いてください。争いは憎しみしか生みません」

と、私は四人を宥めました。

そしてこんなときの為に、私は良い方法を考えつきました。
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