アンドロイド・ニューワールドⅡ
「皆さん、ここは一つ…くじ引きで決めましょう」

と、私は提案しました。

「またかよ」

「はい。献立もくじ引きで決めたので、誰が何を作るかも、くじ引きで決めましょう」

と、私は言いました。

「誰が何を作るか、じゃなくて、メニューに関係なく係を決めたら?皿洗い係とか、野菜を切る係とか…」

と、湯野さんは言いました。

彼女が喧嘩腰ではなく提案をするのは、何だか珍しい気がしますね。

しかし。

「ご意見は感謝致します。が、それはおすすめ出来ません。係によって、負担の重さが段違いですから。あなたの言ったように皿洗い係と野菜を切る係を決めたら、他の四人は何をするんですか?味付け係と味見係ですか?」

と、私は言いました。

恐らく圧倒的に、下拵え係の負担が大きいでしょう。

「どの料理にも中途半端に手を出すくらいなら、一人、ないしは二人が、一つのメニューを最初から最後まで責任を持って作る方が、役割分担としてはシンプルです」

と、私は言いました。

そこで、このくじ引きの登場ですね。

くじ引きは万能です。

「よって、再びこの厳正なくじ引きによって、全てを決めましょう。作るのが難しい…ロールケーキと、それからもう一品…。…奏さん、作るのが大変そうなのはどれでしょう?」

「え?うーん…。その中だと、ポタージュかな?」

と、奏さんは言いました。

ご意見ありがとうございます。

「では、ロールケーキとポタージュだけ二人が担当することにして、一品ずつ、誰が担当するのかくじ引きで決めましょう」

と、私は言いました。

そして、運命のくじ引きを行いました。
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