アンドロイド・ニューワールドⅡ
と、いう説明を、奏さんにしたところ。

「瑠璃華さんの…そういう、冒険精神旺盛なところは…凄く良い長所だと思うんだけど」

「はい」

「でも、チョコご飯って、美味しいの?」

と、奏さんは真顔で尋ねました。

相変わらずの真顔ですね。

「大丈夫です。久露花局長も、『チョコレートは万能だ。無限の可能性を秘めた食べ物だ…!』と仰っていましたし」

「そうか…。俺は、チョコレートはそこまで万能ではないと思うけどね…」

「では食べてみましょう。いただきます」

「…食べるんだ…」

と、奏さんは呟きました。

勿論食べます。その為に持ってきたものですから。

もぐもぐ。

ごくん。
 
「…どう?味の方は…」

と、奏さんは聞きました。

そうですね。

「チョコレートを溶かして、白米に混ぜたような味がしますね」

「うん。そういう食べ物だからね」

と、奏さんは言いました。

「久露花局長は、好きかもしれません」

「一般人相手には?」

「好みによると思います。…私は、あまり他人におすすめしたい味ではありませんね」

「…だよね…」

と、奏さんは言いました。

味の予想が出来ていたのですか、奏さん。凄いですね。

「しかし、これもお弁当作りを学ぶ為の、大きな一歩です。この教訓を活かし、次へ繋げる為にも…もぐもぐ」

「…為にも?」

「残さず、全て完食しましょう」

「…瑠璃華さんの、そういう真面目なところは…凄く良い長所だと思うよ」

と、奏さんは言いました。

それはありがとうございます。

「それに、食べられないほどではありませんよ。良かったら、奏さんも一口如何ですか?」

「いや、俺は遠慮しておくよ」

と、奏さんは真顔でお断りしました。

しかも即答です。

絶対に食べたくないという、強い意志を感じます。

「ちなみに、今日のドリンクはカフェオレを持ってきました」

と、私は言いながら、魔法瓶を机の上に置きました。

「そんなところまで茶色統一…」

と、奏さんは呟きました。

何でも、やるなら全力で、という意味を込めてのカフェオレです。

「あのね瑠璃華さん…。そうじゃない、そうじゃないと思うんだよ…お弁当って…。瑠璃華さん、本当極端過ぎる…」

と、奏さんは嘆くように言いました。
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