アンドロイド・ニューワールドⅡ
「何と言われましても…。深夜に徘徊していただけですよ?」
「それは『だけ』とは言わないんだよ。何で深夜に徘徊してるの?前も瑠璃華さん、夜中に出歩いてたよね」
と、奏さんは言いました。
以前『見聞広がるワールド』に二人で訪れた際の、待ち合わせのときのことを仰っているのでしょうか。
よく覚えていらっしゃいますね。
「あのね、本当良くないからそれ。危ないから。補導されかねないし。やめよう?」
「いえ、大丈夫です」
「何が大丈夫?」
「徘徊していたと言っても、ずっと同じ場所にいましたから。うろうろしていた訳ではありません」
と、私は釈明しました。
「同じ場所って…何処にいたの?カラオケとか?ネットカフェとか?」
「神社です」
「予想以上に危険な場所にいて、今俺は心底びびってるよ」
「そうですか」
と、私は言いました。
神社が危険なのでしょうか。
むしろ、神聖な場所なので、安全だと思いますが。
「何やってたの神社で?怖いよ。肝試し?」
「いえ。丑の刻参りです」
「肝試しどころじゃなかった」
と、奏さんは空を仰いでいました。
真顔を通り越して、空を仰ぐとは。
なかなか、人に天を仰がせるということは難しいものです。
久露花局長は、ちょっと高級なチョコレートを食べさせたら、すぐ天を仰ぎますけどね。
「どうして…どうしてそんなことを?何?誰か…そこまでして、呪いたい人がいたの?」
「いえ、私には感情がないので、憎しみや恨みといった感情は持ちません」
「じゃあ、何でそんなことしたの?」
と、奏さんは半ば嘆くように尋ねました。
「昨日、ひとりかくれんぼの本を読んだとき、別の本も見つけたんです」
「何の本?深夜に神社で丑の刻参りする本?」
「『猿でも分かる!初心者の丑の刻参り』という本です」
「…中級者と上級者とは、どう違うの…?」
と、奏さんは首を傾げました。
「これは是非試してみるべきと思いまして、丑の刻参りを敢行しました。ちゃんと白装束を着て、金槌を持っていきましたよ」
「…怖っ…。良かったね、お巡りさんに見つからなくて…。多分見つけた方も腰を抜かすと思うけど…」
「そうですか」
と、私は言いました。
幸い、誰にも見つかることはありませんでした。
「それは『だけ』とは言わないんだよ。何で深夜に徘徊してるの?前も瑠璃華さん、夜中に出歩いてたよね」
と、奏さんは言いました。
以前『見聞広がるワールド』に二人で訪れた際の、待ち合わせのときのことを仰っているのでしょうか。
よく覚えていらっしゃいますね。
「あのね、本当良くないからそれ。危ないから。補導されかねないし。やめよう?」
「いえ、大丈夫です」
「何が大丈夫?」
「徘徊していたと言っても、ずっと同じ場所にいましたから。うろうろしていた訳ではありません」
と、私は釈明しました。
「同じ場所って…何処にいたの?カラオケとか?ネットカフェとか?」
「神社です」
「予想以上に危険な場所にいて、今俺は心底びびってるよ」
「そうですか」
と、私は言いました。
神社が危険なのでしょうか。
むしろ、神聖な場所なので、安全だと思いますが。
「何やってたの神社で?怖いよ。肝試し?」
「いえ。丑の刻参りです」
「肝試しどころじゃなかった」
と、奏さんは空を仰いでいました。
真顔を通り越して、空を仰ぐとは。
なかなか、人に天を仰がせるということは難しいものです。
久露花局長は、ちょっと高級なチョコレートを食べさせたら、すぐ天を仰ぎますけどね。
「どうして…どうしてそんなことを?何?誰か…そこまでして、呪いたい人がいたの?」
「いえ、私には感情がないので、憎しみや恨みといった感情は持ちません」
「じゃあ、何でそんなことしたの?」
と、奏さんは半ば嘆くように尋ねました。
「昨日、ひとりかくれんぼの本を読んだとき、別の本も見つけたんです」
「何の本?深夜に神社で丑の刻参りする本?」
「『猿でも分かる!初心者の丑の刻参り』という本です」
「…中級者と上級者とは、どう違うの…?」
と、奏さんは首を傾げました。
「これは是非試してみるべきと思いまして、丑の刻参りを敢行しました。ちゃんと白装束を着て、金槌を持っていきましたよ」
「…怖っ…。良かったね、お巡りさんに見つからなくて…。多分見つけた方も腰を抜かすと思うけど…」
「そうですか」
と、私は言いました。
幸い、誰にも見つかることはありませんでした。