アンドロイド・ニューワールドⅡ
すると。
「あのね、瑠璃華さん…。楽しそうなところ悪いんだけど」
「私には感情がないので、楽しいという気持ちはありません」
「いや、割と楽しそうな顔してるよ…?」
と、奏さんは言いました。
そうなのですか?
ここには鏡がないので、私が今、どんな顔をしているのか分かりません。
「でも、丑の刻参りは良くないと思うんだ、俺」
「そうですか。何故ですか?」
「危険だから」
と、奏さんはきっぱりと言いました。
何がそんなに危険なのでしょう。
あ、そうですか。釘と金槌を使うから、危ないと言いたいのですね。
私は『新世界アンドロイド』ですから、釘が身体に刺さろうと、金槌で殴ろうと、全くの無傷なのですが。
奏さんを心配させたくはありません。
「今晩は、一段階レベルアップして、中級者の丑の刻参りに挑戦してみようと思ったのですが…」
「やめよう。もう丑の刻参りはやめよう。夜は大人しくしてよう。お願いだから」
と、奏さんは怒涛の如く畳み掛けました。
かなりの剣幕です。
奏さんがここまで仰るなら…。
「分かりました。もう、丑の刻参りはやめておきます」
「うん。ごめんね何だか。残念そうだけど、それでも俺は止めるよ。危険だからね」
と、奏さんは言いました。
私には感情がないので、残念そうな顔になるはずがないのですが。
「では心を入れ替えて、今晩はこっくりさんを、」
「全然心が入れ替わってない。駄目。そういう、一人ホラー体験をするのをやめて」
と、奏さんは言いました。
「ですが私は折角、『猿でも分かる!初心者のこっくりさん』という本を…」
「読まなくて良い。そういう本はもう読まなくて良い。お願いだから。もっと健全な趣味を持って」
「…分かりました…」
「あぁ、瑠璃華さんが凄く残念そう…。でも俺は譲らないよ。うっかり俺や瑠璃華さんが呪われたら、取り返しがつかないから」
と、奏さんは言いました。
仕方がありませんので、こっくりさんはまた、別の機会に試すとしましょう。
「あのね、瑠璃華さん…。楽しそうなところ悪いんだけど」
「私には感情がないので、楽しいという気持ちはありません」
「いや、割と楽しそうな顔してるよ…?」
と、奏さんは言いました。
そうなのですか?
ここには鏡がないので、私が今、どんな顔をしているのか分かりません。
「でも、丑の刻参りは良くないと思うんだ、俺」
「そうですか。何故ですか?」
「危険だから」
と、奏さんはきっぱりと言いました。
何がそんなに危険なのでしょう。
あ、そうですか。釘と金槌を使うから、危ないと言いたいのですね。
私は『新世界アンドロイド』ですから、釘が身体に刺さろうと、金槌で殴ろうと、全くの無傷なのですが。
奏さんを心配させたくはありません。
「今晩は、一段階レベルアップして、中級者の丑の刻参りに挑戦してみようと思ったのですが…」
「やめよう。もう丑の刻参りはやめよう。夜は大人しくしてよう。お願いだから」
と、奏さんは怒涛の如く畳み掛けました。
かなりの剣幕です。
奏さんがここまで仰るなら…。
「分かりました。もう、丑の刻参りはやめておきます」
「うん。ごめんね何だか。残念そうだけど、それでも俺は止めるよ。危険だからね」
と、奏さんは言いました。
私には感情がないので、残念そうな顔になるはずがないのですが。
「では心を入れ替えて、今晩はこっくりさんを、」
「全然心が入れ替わってない。駄目。そういう、一人ホラー体験をするのをやめて」
と、奏さんは言いました。
「ですが私は折角、『猿でも分かる!初心者のこっくりさん』という本を…」
「読まなくて良い。そういう本はもう読まなくて良い。お願いだから。もっと健全な趣味を持って」
「…分かりました…」
「あぁ、瑠璃華さんが凄く残念そう…。でも俺は譲らないよ。うっかり俺や瑠璃華さんが呪われたら、取り返しがつかないから」
と、奏さんは言いました。
仕方がありませんので、こっくりさんはまた、別の機会に試すとしましょう。