アンドロイド・ニューワールドⅡ
と、いうきっかけがあったその日。
その日は、久露花局長との定期連絡の日でした。
「こんばんは、久露花局長」
『やっほー…。瑠璃華ちゃん…』
と、画面の向こうの局長は、力なく手を振りました。
おでこに湿布を貼っているように見えますね。
それに、何故だか元気がありません。
いつもの「やっほー」に、覇気がこもっていませんね。
「どうしましたか、局長。チョコレート不足ですか」
と、私は尋ねました。
チョコレートが足りていないときの久露花局長は、ガソリンの足りていない車と一緒です。
局長に元気がないということは、きっとチョコレート不足なのだろう…と、思ったのですが。
『いや、チョコレートは足りてるんだけど』
と、局長は言いました。
成程、チョコレートは足りているのですね。
それなら、どうして局長に元気がな、
『どうも最近、運が悪いことが多くてね…。今日も、道を歩いてたら、頭の上にちっちゃい植木鉢が落ちてきて…』
「…」
『痛かったよ〜…。何なんだろうなぁもう…。昨日は机の角で足の小指打って、一時間悶絶してたし…』
「呪いの効果は、未だ持続しているようですね」
『へ?呪い?』
「いえ、何でもありません」
と、私は答えました。
世の中には、知らない方が良いこともあるということです。
『それはともかく…。瑠璃華ちゃん、今日碧衣君に会ったでしょ?』
と、局長は聞きました。
局長方は、私達『新世界アンドロイド』の居場所を常に把握しているので、私と碧衣さんが遭遇したことも知っています。
「はい、会いましたね」
『どんなお話してたの?』
「碧衣さんが、紺奈局長にスマートフォンをプレゼントしてもらって、碧衣さんはそれを使って、毎分紺奈局長にメッセージを怒涛の如く送り続けているそうです」
『…紺奈局長…大丈夫かなぁ…』
「どうでしょう」
と、私は言いました。
『紺奈局長は何だってまた、スマホをプレゼントしたんだろう…?』
「紺奈局長の意図は、詳しくは不明ですが…。碧衣さん曰く、交友関係を広げるアイテムだそうです」
と、私は碧衣さんから聞いたことを答えました。
彼の場合、それで本当に交友関係が広がっているのか、それとも狭まっているのか、判断しかねます。
「私も買ってはどうかと勧められのですが、局長はどう思われますか?」
と、私は尋ねました。
私は第4局に所属する『新世界アンドロイド』ですので、久露花局長の指示に従います。
久露花局長が、「やめておいた方が良い」と仰るなら、その通りに…。
『うん。瑠璃華ちゃんはどう思う?』
と、久露花局長は、逆に聞き返してきました。
私がどう思うか…ですか。
それは難しいですね。
その日は、久露花局長との定期連絡の日でした。
「こんばんは、久露花局長」
『やっほー…。瑠璃華ちゃん…』
と、画面の向こうの局長は、力なく手を振りました。
おでこに湿布を貼っているように見えますね。
それに、何故だか元気がありません。
いつもの「やっほー」に、覇気がこもっていませんね。
「どうしましたか、局長。チョコレート不足ですか」
と、私は尋ねました。
チョコレートが足りていないときの久露花局長は、ガソリンの足りていない車と一緒です。
局長に元気がないということは、きっとチョコレート不足なのだろう…と、思ったのですが。
『いや、チョコレートは足りてるんだけど』
と、局長は言いました。
成程、チョコレートは足りているのですね。
それなら、どうして局長に元気がな、
『どうも最近、運が悪いことが多くてね…。今日も、道を歩いてたら、頭の上にちっちゃい植木鉢が落ちてきて…』
「…」
『痛かったよ〜…。何なんだろうなぁもう…。昨日は机の角で足の小指打って、一時間悶絶してたし…』
「呪いの効果は、未だ持続しているようですね」
『へ?呪い?』
「いえ、何でもありません」
と、私は答えました。
世の中には、知らない方が良いこともあるということです。
『それはともかく…。瑠璃華ちゃん、今日碧衣君に会ったでしょ?』
と、局長は聞きました。
局長方は、私達『新世界アンドロイド』の居場所を常に把握しているので、私と碧衣さんが遭遇したことも知っています。
「はい、会いましたね」
『どんなお話してたの?』
「碧衣さんが、紺奈局長にスマートフォンをプレゼントしてもらって、碧衣さんはそれを使って、毎分紺奈局長にメッセージを怒涛の如く送り続けているそうです」
『…紺奈局長…大丈夫かなぁ…』
「どうでしょう」
と、私は言いました。
『紺奈局長は何だってまた、スマホをプレゼントしたんだろう…?』
「紺奈局長の意図は、詳しくは不明ですが…。碧衣さん曰く、交友関係を広げるアイテムだそうです」
と、私は碧衣さんから聞いたことを答えました。
彼の場合、それで本当に交友関係が広がっているのか、それとも狭まっているのか、判断しかねます。
「私も買ってはどうかと勧められのですが、局長はどう思われますか?」
と、私は尋ねました。
私は第4局に所属する『新世界アンドロイド』ですので、久露花局長の指示に従います。
久露花局長が、「やめておいた方が良い」と仰るなら、その通りに…。
『うん。瑠璃華ちゃんはどう思う?』
と、久露花局長は、逆に聞き返してきました。
私がどう思うか…ですか。
それは難しいですね。