アンドロイド・ニューワールドⅡ
分かりました。

では、方法を変えるとしましょう。

このようなときの為に、碧衣さんから対策を聞いてきました。

むしろ、碧衣さんはこちらの方法で行ったと聞いています。

「では奏さん。私は今から、奏さんにメールを送信します」

「メール?俺に?」

「はい。そのメールを開いてもらえますか」

「?良いけど…それ、開くとどうなるの?」

と、奏さんは首を傾げました。

「奏さんのスマートフォンが、ウイルスに感染します。それによって、私のスマートフォンで奏さんの位置情報を把握することが出来ます」

「ありがとう。絶対に開かないよ」

と、奏さんは再度、微笑みながら言いました。

なんと。断られてしまいました。

「私達の友情は…これほどまでに儚いものだったのですね」

「違う、そういう訳じゃない。ただ俺は、位置情報を把握されたくないだけ」

「そうなのですか?」

「当たり前だよ…。別に、知られて不味いところに出入りしてる訳じゃないけど…。そんなガチストーカー御用達アプリみたいなのは、遠慮したい」

と、奏さんは言いました。

成程、そういうことだったのですね。

碧衣さんは、紺奈局長にウイルスメールを送り。

それを通じて、紺奈局長のスマートフォンをウイルスに感染させ。

紺奈局長の居場所を、常に把握しているそうです。

とはいえ、紺奈局長は常に『Neo Sanctus Floralia』の第2局にいるので、位置情報を把握する必要があるのか、と思いますが。

そのような正論は、碧衣さんには通じません。

「良い?瑠璃華さん。そんなストーカーアプリを使うのはやめよう。悪いことは言わないから」

と、奏さんは言いました。

奏さんがそこまで仰るなら、位置情報アプリのインストールは、やめておきましょう。

では、碧衣さんに勧められた、別のアプリケーションのインストールを検討してみましょう。
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