アンドロイド・ニューワールドⅡ
「そうだったのですね、道理で…。おすすめアプリ一覧に、ハムスターだのイルカだのハリネズミだの、食肉用にしては適さない育成ゲームがあると思ったら…。そういうことだったのですか…」

「そりゃそうでしょ…。むしろ、何で食べると思ったの…?」

と、奏さんは首を傾げましたが。

人間が動物を飼育する、基本的な目的は、食用にすることなのでは?

そうですか…。食べずに愛玩動物にするのが目的だったとは…。

そうと知っていたら、あのような育成ゲームは始めなかったのですが。

「私には、育成シミュレーションゲームは向いていないのかもしれません」

「そっか…。まぁ、無理にやらなきゃいけない訳じゃないから。他のジャンルのゲームに挑戦してみても良いんじゃない?」

と、奏さんは勧めてくれました。

他のジャンルですか…。

「例えば、どのようなジャンルでしょう?」

「そうだなー、リズムゲーとか、探索ゲーとか、色々あるけど…」

「奏さんは、農場経営の他に何をされているのですか?」

と、私は尋ねました。

「そうだな…。ゲームじゃないけど、読み物のアプリとか…。そうだ、通販のアプリもよく使うな」

と、奏さんな言いました。

通販…通信販売の略です。

それはゲームではないですね。

「普通にお店に行くより、通販サイトの方が品揃え豊富だからさ」

「それは分かりますが、しかし実際に実物を見て、触ってみなければ、その商品が自分の予想通りかどうかは分からないのでは?」

「そういう意見もあるけど。実際に買わなくても良いんだよ。色んな商品を見てるだけでも楽しいよ」

と、奏さんは言いました。

成程、ウィンドウショッピング感覚で、通販サイトを眺めるのですね。

アプリケーション一つで、家にいながらウィンドウショッピングを楽しめるなんて、手軽ですね。

面白いかもしれません。

「分かりました。それでは、今日は通信販売アプリケーションを試してみます」

「試す…試すって言うか、まぁ、見るだけでも見てみたら良いと思うよ」

と、奏さんは言いました。
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