アンドロイド・ニューワールドⅡ
「まず、某熱帯雨林の名前を冠する通信販売サイトに、アカウントを作ったのですが」
「あ、それ俺も使ってるよ…。何で停止されるの?」
「折角登録したので、何か買ってみようと思い、金魚の餌を購入しました」
「早速買ったんだね。でも、それの何が引っ掛かったんだろう…?」
と、奏さんは聞きました。
私にも、理由が不明なのです。
「しかし、そこで気づいたことがありました」
「え、何?」
「発送元が、国内の工場だったのです」
「…それ、何か問題ある?」
と、奏さんは聞きました。
大問題ではありませんか。
「私は、熱帯雨林から金魚の餌が届くと聞いて、わざわざ購入したのです。それなのに発送元が国内の工場だなんて、それは発送元の詐称ではありませんか」
「!?」
「私は騙されたことに気づき、他の商品ページを閲覧しました。すると、その商品も、その他の商品も全て、発送元の詐称が確認されました。熱帯雨林ではなく、国内だったり、国外だったとしても熱帯雨林地域ではないのです」
と、私は言いました。
つまり、私は詐欺に遭ったということです。
電話によるオレオレ詐欺や、訪問販売詐欺には、徹底的な対策をしていた私ですが。
通信販売は初めてだった為に、うっかり対策を怠ってしまいました。
「急いで、私は運営のお問い合わせフォームから、詐欺だと訴えました。こうしている間にも、全国の皆さんが同様の詐欺被害に遭っているかと思うと、悠長にはしていられません」
「…」
「しかし、いくら詐欺だと訴えても、定型文しか返ってこないので、更に毎分問い合わせ続けていたら、いつの間にかアカウントを停止されていました」
「…そりゃ怒られるでしょ」
と、奏さんはポツリと言いました。
何故怒られたのか、私には理解不能です。
怒られるべきなのは、詐欺を行った出品者では?
「次に二つ目の通信販売サイトですが、こちらはポイントサービスが充実しているそうで、アカウントを初めて登録した方には、500ポイントをプレゼントする、というサービスを行っていました」
「あぁ…よくあるよね、そういうサービス」
「はい。しかもそのポイントは、現金に替えられるそうです。とても画期的ですね」
と、私は言いました。
更に、買い物をすればするほど、購入額に応じてポイントが付与されるそうです。
そうしてポイントで釣って、購入者を焚きつける。
悪魔のような商法ですね。
さて、それはともかく。
「そっちは何で停止されたの?」
「分かりません。特に覚えがないのですが…」
「でも、何かやらないと停止されることはないはずなんだけど…」
「そうですか…。初めての方限定付与のポイント目当てに、偽名を使って複数のアカウントを作成しまくった以外は、何もしていないのですが…」
「成程。思いっきりアウトなことをやりまくってるね」
と、奏さんは真顔で言いました。
奏さんの真顔モードが発動しました。
アウト?何がでしょうか。
「何でそんなことしちゃったの?一人が複数アカウントを持つなんて、しかも偽名で作るなんて、利用規約違反でしょ!」
「そうなのですか?初めてのアカウント作成であれば、全員に500ポイントが付与されるので、これは買い物上手だと思ってたくさんアカウントを作ったのですが…」
「瑠璃華さんは、買い物上手と規約違反を履き違えてるよ!」
と、奏さんは言いました。
「ちなみに、クラスメイト全員の名前を使ってアカウントを作成しました」
「何やってるの本当に!?それ、俺の名前も使った!?」
「はい、使いました。住所は架空ですけど」
と、私は答えました。
湯野さんの名前も使いました。
担任の、佐賀来(さがらい)教師の名前も使いました。
全部停止されましたけど。
「俺の名前…ブラックリスト入りしてなければ良いんだけど…」
と、奏さんは遠い目で呟きました。
大丈夫でしょうか。
「あ、それ俺も使ってるよ…。何で停止されるの?」
「折角登録したので、何か買ってみようと思い、金魚の餌を購入しました」
「早速買ったんだね。でも、それの何が引っ掛かったんだろう…?」
と、奏さんは聞きました。
私にも、理由が不明なのです。
「しかし、そこで気づいたことがありました」
「え、何?」
「発送元が、国内の工場だったのです」
「…それ、何か問題ある?」
と、奏さんは聞きました。
大問題ではありませんか。
「私は、熱帯雨林から金魚の餌が届くと聞いて、わざわざ購入したのです。それなのに発送元が国内の工場だなんて、それは発送元の詐称ではありませんか」
「!?」
「私は騙されたことに気づき、他の商品ページを閲覧しました。すると、その商品も、その他の商品も全て、発送元の詐称が確認されました。熱帯雨林ではなく、国内だったり、国外だったとしても熱帯雨林地域ではないのです」
と、私は言いました。
つまり、私は詐欺に遭ったということです。
電話によるオレオレ詐欺や、訪問販売詐欺には、徹底的な対策をしていた私ですが。
通信販売は初めてだった為に、うっかり対策を怠ってしまいました。
「急いで、私は運営のお問い合わせフォームから、詐欺だと訴えました。こうしている間にも、全国の皆さんが同様の詐欺被害に遭っているかと思うと、悠長にはしていられません」
「…」
「しかし、いくら詐欺だと訴えても、定型文しか返ってこないので、更に毎分問い合わせ続けていたら、いつの間にかアカウントを停止されていました」
「…そりゃ怒られるでしょ」
と、奏さんはポツリと言いました。
何故怒られたのか、私には理解不能です。
怒られるべきなのは、詐欺を行った出品者では?
「次に二つ目の通信販売サイトですが、こちらはポイントサービスが充実しているそうで、アカウントを初めて登録した方には、500ポイントをプレゼントする、というサービスを行っていました」
「あぁ…よくあるよね、そういうサービス」
「はい。しかもそのポイントは、現金に替えられるそうです。とても画期的ですね」
と、私は言いました。
更に、買い物をすればするほど、購入額に応じてポイントが付与されるそうです。
そうしてポイントで釣って、購入者を焚きつける。
悪魔のような商法ですね。
さて、それはともかく。
「そっちは何で停止されたの?」
「分かりません。特に覚えがないのですが…」
「でも、何かやらないと停止されることはないはずなんだけど…」
「そうですか…。初めての方限定付与のポイント目当てに、偽名を使って複数のアカウントを作成しまくった以外は、何もしていないのですが…」
「成程。思いっきりアウトなことをやりまくってるね」
と、奏さんは真顔で言いました。
奏さんの真顔モードが発動しました。
アウト?何がでしょうか。
「何でそんなことしちゃったの?一人が複数アカウントを持つなんて、しかも偽名で作るなんて、利用規約違反でしょ!」
「そうなのですか?初めてのアカウント作成であれば、全員に500ポイントが付与されるので、これは買い物上手だと思ってたくさんアカウントを作ったのですが…」
「瑠璃華さんは、買い物上手と規約違反を履き違えてるよ!」
と、奏さんは言いました。
「ちなみに、クラスメイト全員の名前を使ってアカウントを作成しました」
「何やってるの本当に!?それ、俺の名前も使った!?」
「はい、使いました。住所は架空ですけど」
と、私は答えました。
湯野さんの名前も使いました。
担任の、佐賀来(さがらい)教師の名前も使いました。
全部停止されましたけど。
「俺の名前…ブラックリスト入りしてなければ良いんだけど…」
と、奏さんは遠い目で呟きました。
大丈夫でしょうか。