アンドロイド・ニューワールドⅡ
「三つ目は?三つ目は何したの!?」

と、奏さんは迫るように聞きました。

「私は何も悪いことはしていません」

「悪いことしてる人は、皆そう言うんだよ!で?何したの?」 

「今度はまた別のサイトで、金魚の餌を購入しただけです」

と、私は答えました。

非常に健全な買い物ですね。

「本当に?また何か悪いことしたんじゃないの?」

と、奏さんは疑いの目を向けてきました。

何故親友に疑われなければならないのでしょう。切ないです。

「何もしていません。金魚の餌を買っただけです」

「本当に…?他にも何か買ったんじゃないの?」

「いいえ。金魚の餌だけです」

「…本当に…?」

と、奏さんは何度も確認してきました。

あまりにも疑い過ぎではないでしょうか。

本当に、金魚の餌しか買っていません。

「金魚の餌を買っただけ…?それなら、何でアカウント停止されたんだろう…?金魚の餌一つでアカウント停止なんて、そんなの聞いたことな、」

「あ、一つではありません。たくさん種類があったので、あるだけ買いました」

「何をやってるの瑠璃華さんは!?」

と、奏さんは、再び声を荒らげて言いました。

ちょっとびっくりしました。

「しかし買ってから、我が家のマグロ達は、こんなに餌を食べることは出来ないと気づきました」

「そうだね!買う前に気づいて欲しかったよ!」

「そこで、私は購入した商品をキャンセルすることにしました。一つずつキャンセルしていったのですが、途中でアカウント停止処分を受けました」

「成程ね!大量のキャンセルはアカウント停止の理由になるからね!一体何個キャンセルしたしたの?」

「122個です」

「それは停止されて当然だね!」

と、奏さんは言いました。

当然なのですか。それは初めて知りました。

「怒られるよそれは!122個も買う前に気付こう?お願いだから!」

「たくさん種類があったので、つい…」

「金魚の餌で興奮し過ぎでしょ…!もう通販やめよう?ホームセンターで買おう?」

と、奏さんは言いました。

そして、ついには。

「最後!四つ目!何したのか白状して!」

と、奏さんは怒ったような、嘆いているような口調で言いました。

まるで、私が何か悪いことをしたかのようです。

それは濡れ衣です。冤罪です。

何でも、疑ってかかるのは良くないと思います。

「奏さん。私は、本当に何も悪いことはしていないんですよ」

「大丈夫。もうこの時点でめちゃくちゃ悪いことしまくってるから。安心して白状して」

と、奏さんは真顔モードで言いました。

「四つ目は、フリーマーケットアプリケーションというものをインストールしてみました」

「また地雷が多そうだね…。俺はやったことないけど、確かに今流行ってるね」

と、奏さんは言いました。

奏さんは、フリーマーケットアプリケーションは、利用したことがないのですね。

「そこでは、フリーマーケットの醍醐味とも言える、値段交渉が行えるとのことでした」

「あぁ、うん。フリマアプリだからね」

「そこで、折角値段交渉が行えるなら、最低価格で買うのが買い物上手だと思いまして」

「うん…不穏な気配がする」

「全ての商品を、100円で購入したいとメッセージを送り続けていたら、いつの間にかアカウントを停止されてしまいました」

「成程。立派な迷惑行為だからね!」

と、奏さんは言いました。
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