アンドロイド・ニューワールドⅡ
「え?大丈夫って?」

「私も奏さんと同じく、一緒に会計をやりましょう」

と、私は言いました。

大事な仕事を任されている事実には、変わりありませんし。

「え、でも…。地味な仕事だよ。表に出ることもないし。折角喫茶店なのに、ウエイトレスをやりたいんじゃ…」

「そうですね。これがもし、宇宙人喫茶なら、私も是非、ホールでウエイトレスをやりたかったです。しかし通常の喫茶店なら、そこまで未練はありません」

「…そこ、大事なんだ…」

と、奏さんは呟きました。

えぇ、大事です。

通常の喫茶店なら、これからも経験する機会があるかもしれませんが。

宇宙人喫茶を開く機会は、そうそうないと思われますので。

その場合は是非とも、宇宙人のコスチュームプレイをしたかったです。

が、今回は宇宙人喫茶ではないので、未練はそれほどありません。

心置きなく、奏さんと会計をやりましょう。

「湯野さんの指示通り、私は奏さんと共に一緒に会計を務めます」

「…でも…初めての文化祭なのに…」

「構いません。文化祭なら来年もありますし」

と、私は言いました。

今年は、奏さんと一緒に会計をやります。

後悔はありません。

「それに、会計が楽しくないと決まった訳ではありません。つまらない仕事でも、楽しくやれば良いだけです」

「楽しく、って…。楽しくないよ?お金数えるだけだし…」

「大丈夫です。楽しくお金を数えましょう」

と、私は言いました。

何度も言っている通り。

ようは、創意工夫の問題です。
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