アンドロイド・ニューワールドⅡ
『それで、瑠璃華ちゃん。その文化祭だけど』

と、久露花局長は切り出しました。

「はい、何でしょう」

『私も行って良いかな?地域の人にも開放されるんだよね?』

「はい、そのように聞いています」

と、私は答えました。

当日は、運動会同様、久露花局長がいらっしゃっても構いません。

『よし。じゃあ私達も行こう。ね、翠ちゃん』

と、局長は傍らの、朝比奈副局長に同意を求めました。

『そうですね。瑠璃華さんが良いなら…私達も、見に行きたいです』

と、朝比奈副局長は答えました。

見に行きたい、と言われましても…。

「私は当日、空き教室にこもってお金を数えているので、お二人がいらっしゃっても、会う機会はありませんが」

『そうだね。でも、関係ないよ。瑠璃華ちゃんのクラスがどんなことをしてるか、それを見に行けるだけでも、私達にとっては大事な情報収集だし…』

と、局長は言いました。

『それに何より、喫茶店だからね!チョコレートが食べられるかもしれない!例えチョコがなくても、生クリームはほぼ確定!』

と、局長は大声で言いました。

…そこが、それほど重要なのでしょうか。

そうですね。久露花局長は、頭の中までチョコレートがたっぷりですから。

『是非ともチョコレートを食べにいっ、瑠璃華ちゃんの様子を見に行くよ!ねっ、翠ちゃん』

「そ、そうですね」

と、朝比奈副局長は言いました。

何だか、欲望の見え隠れしている局長ですね。

目的は私の視察なのか、それともチョコレートなのか、判別しかねますが。

いずれにしても、局長と副局長がいらっしゃるということで、理解しました。
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