アンドロイド・ニューワールドⅡ
更に、私が連絡を取ったのは、久露花局長だけではありません、

これまでの私なら、他に連絡を取る相手がいませんでしたが。

今の私には、なんと文明の利器。

そう、スマートフォンがあります。

これを使って、別の方に連絡を取ることが出来ます。

「こんにちは、碧衣さん」

『あれ、瑠璃華さんですか。何か用ですか?』

と、電話の向こうで碧衣さんが言いました。

運動会のとき、何の連絡もしていませんでしたが、碧衣さんと紺奈局長がいらっしゃいましたし。

今回も声をかけたら、お二人もいらっしゃるかと思いまして。

「実は来月、私の通っている学園で、文化祭があるのですが」

『あ、そうなんですか。うちもです』

と、碧衣さんは言いました。

そういえば、そうでしたね。

碧衣さんも私と同じく、高校に通っているのでした。

そうしたら、碧衣さんの方でも、文化祭が開かれるのは当然ですね。

同じ日だったら、来て頂くことは出来ませんが。

どうでしょう。学校によって、日付は違うものなのでしょうか。

「来て頂くことは出来ますか?」

『何日なんですか?』

と、碧衣さんは尋ねました。

そこで、私が正確な日付について答えると。

『へぇ。僕の方は、その翌日ですね』

と、碧衣さんは答えました。

そうですか。一日違いなのですね。

「もし、前日に準備などの用事がなければ、紺奈局長をお誘いして、」

『はいはい行きます!超行きます!』

と、碧衣さんは食い気味に言いました。

まだ誘っていなかったのですが。

『僕、学校の方では仮のガールフレンドがいるせいで、自分の学校で紺奈局長とラブラブ文化祭デートが出来なくて、ガッカリしてたんですよね〜』

と、碧衣さんは教えてくれました。

聞いてもいないのに。

『でも、瑠璃華さんの方で文化祭デートが出来るなら、是非とも行きます!』

「そうですか」

『じゃ、ちょっと局長に知らせてきますね』

「ですが、紺奈局長は来てくださるでしょうか?」

と、私は尋ねました。

私は第4局、紺奈局長は第2局の方です。

所属する局が違う『新世界アンドロイド』の視察を、そう度々行うでしょうか。

運動会のときも来てくださいましたからね。

今度は遠慮しておく、と言っても、おかしくありません。

しかし。

『大丈夫です。絶対呼びますから!僕が来て欲しいと言ったら、必ず局長は来てくれますよ』

と、碧衣さんは自信満々に言いました。

そうですか。

「何処から、そのような自信が出てくるのですか?」

『はい。来ると言うまで、ずーっとメッセージを送り続けますから』

と、碧衣さんは事も無げに言いました。

「成程、それなら安心ですね」

『でしょう?だから、当日は必ず行きますので、待っててください』

「はい、分かりました」

と、私は言いました。

紺奈局長の説得は、碧衣さんに任せて大丈夫そうですね。

とても頼もしいです。
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