アンドロイド・ニューワールドⅡ
どうでしょう。

所謂、作業用BGMというものです。

退屈な作業でも、何か音楽を聴きながらやれば、捗るかと思ったのです。

先人の知恵ですね。

きっと奏さんも、リラックスして作業することが出来るでしょう。

すると。

「…??聴いたことのない曲だけど…。これ、何の音楽?」

と、奏さんは首を傾げました。

「これは某国の国歌ですね」

「ぶはっ」

と、奏さんは噴き出しました。

「大丈夫ですか?」

「だ、大丈夫…」

と、奏さんは言いました。

そうですか。それは何よりです。

「あ、あのさ瑠璃華さん…」

「はい、何でしょう」

「他の…他の曲にしない?折角なら…」

と、奏さんは提案しました。

他の曲ですか。分かりました。

ちゃんと、他にも色々な曲を用意しています。

「では、次の曲をお聴きください」

「うん」

と、奏さんは頷きました。

同時に、私はスマートフォンの画面をタップし、次の曲を流しました。

これならどうでしょう。

「…」

と、奏さんは無言で、その曲を聴いていました。

もしかしたら、聞き惚れているのかもしれません。

用意してきて良かったです。

すると。

「…これも聴いたことないんだけど、これは何の曲?」

と、奏さんは聞きました。

「これは某国の国歌です」

「ごめん。次の曲行ってもらえる?」

「畏まりました」

と、私は言いながら、スマートフォンをタップしました。

次の曲が流れ始めました。

とても勇ましい旋律ですね。

「…これは、何の曲?」

「これは某国の国歌です」

「まさかの国歌縛り…!?」

と、奏さんは言いました。

国歌縛りとは、何のことでしょう。
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