アンドロイド・ニューワールドⅡ
「作業をするに当たって、手を動かし、目を使うのは仕方のないことですから。他に空いている人間の感覚は、聴覚と嗅覚です」
と、私は説明しました。
「聴覚は、先程国歌を流しましたのでクリア。次は嗅覚を満たすことで、作業効率をアップさせましょう」
「な、成程…。…面白いこと考えるなぁ、瑠璃華さんって」
と、奏さんは言いました。
面白いこととは何ですか。
私はふざけているつもりはありません。いつだって、至って真面目です。
「良い香りを教室内に漂わせることによって、集中力が上がると思うのですが」
「うん、それは良い考えだ」
と、奏さんは言いました。
奏さんも賛成してくださいました。
やはり、これは妙案だったようですね。安心しました。
「色々な香りを嗅ぎ比べられるよう、数種のアロマオイルを用意してきました」
「準備が良いね」
「ありがとうございます。では、早速一つ目をセットしますね」
と、私は言いました。
そして、持ってきたアロマオイルをセットしました。
その後、アロマディフューザーのスイッチを入れました。
これで、室内に匂いが立ち昇るはずです。
すると。
アロマディフューザーから、透明な煙のような、湯気のようなものがふわふわと出てきました。
成功ですね。
「お、出てきた…」
「どうでしょう。作業効率は上がりそうですか?」
「うん、これなら上が…ん?」
と、奏さんは期待に満ちた顔のまま、いきなり首を傾げました。
どうかしたのてしょうか。
「どうされましたか、奏さん」
「…瑠璃華さん、これ…何の匂い?」
と、奏さんは不思議そうな顔をして聞きました。
このアロマオイルの、匂いを聞いているのですね。
「何だか嗅いだことのない香り…。いや、俺もアロマオイルには全然詳しくないから、名前を聞いても分からないかもしれないけど…。独特な匂いがする」
と、奏さんは言いました。
そうでしょうか。この香りは、特に独特なものではありません。
ただの、何処にでもある…。
「これはチョコケーキの香りですね」
「…分からないよ、それは…」
と、奏さんはポツリと呟きました。
分かりませんか。そうですか。
「何でチョコケーキ…?」
「お気に召しませんでしたか?」
「お気に…いや、全然嗅いだことのない香り過ぎて、親近感が全く…」
と、奏さんは言いました。
成程、分かりました。
「では、次の香りを試してみましょう」
と、私は提案しました。
こんなときの為に、複数種のアロマオイルを持ってきておいて、正解でしたね。
やはり、備えあれば憂いなし、ということです。
「うん、宜しく」
「畏まりました。…はい、セット完了です」
と、私は言いながら、二つ目のアロマオイルをセットしました。
すると再び、もくもくと湯気が立ち昇りました。
先程とは、別の香りが漂っていますね。
…しかし。
と、私は説明しました。
「聴覚は、先程国歌を流しましたのでクリア。次は嗅覚を満たすことで、作業効率をアップさせましょう」
「な、成程…。…面白いこと考えるなぁ、瑠璃華さんって」
と、奏さんは言いました。
面白いこととは何ですか。
私はふざけているつもりはありません。いつだって、至って真面目です。
「良い香りを教室内に漂わせることによって、集中力が上がると思うのですが」
「うん、それは良い考えだ」
と、奏さんは言いました。
奏さんも賛成してくださいました。
やはり、これは妙案だったようですね。安心しました。
「色々な香りを嗅ぎ比べられるよう、数種のアロマオイルを用意してきました」
「準備が良いね」
「ありがとうございます。では、早速一つ目をセットしますね」
と、私は言いました。
そして、持ってきたアロマオイルをセットしました。
その後、アロマディフューザーのスイッチを入れました。
これで、室内に匂いが立ち昇るはずです。
すると。
アロマディフューザーから、透明な煙のような、湯気のようなものがふわふわと出てきました。
成功ですね。
「お、出てきた…」
「どうでしょう。作業効率は上がりそうですか?」
「うん、これなら上が…ん?」
と、奏さんは期待に満ちた顔のまま、いきなり首を傾げました。
どうかしたのてしょうか。
「どうされましたか、奏さん」
「…瑠璃華さん、これ…何の匂い?」
と、奏さんは不思議そうな顔をして聞きました。
このアロマオイルの、匂いを聞いているのですね。
「何だか嗅いだことのない香り…。いや、俺もアロマオイルには全然詳しくないから、名前を聞いても分からないかもしれないけど…。独特な匂いがする」
と、奏さんは言いました。
そうでしょうか。この香りは、特に独特なものではありません。
ただの、何処にでもある…。
「これはチョコケーキの香りですね」
「…分からないよ、それは…」
と、奏さんはポツリと呟きました。
分かりませんか。そうですか。
「何でチョコケーキ…?」
「お気に召しませんでしたか?」
「お気に…いや、全然嗅いだことのない香り過ぎて、親近感が全く…」
と、奏さんは言いました。
成程、分かりました。
「では、次の香りを試してみましょう」
と、私は提案しました。
こんなときの為に、複数種のアロマオイルを持ってきておいて、正解でしたね。
やはり、備えあれば憂いなし、ということです。
「うん、宜しく」
「畏まりました。…はい、セット完了です」
と、私は言いながら、二つ目のアロマオイルをセットしました。
すると再び、もくもくと湯気が立ち昇りました。
先程とは、別の香りが漂っていますね。
…しかし。