アンドロイド・ニューワールドⅡ
しかし。
『…』
と、電話の向こうの人は、何故か無言でした。
…何でしょうこれは。今流行りの、無言電話という奴でしょうか。
だとしたら、私は即刻この受話器を置くべきですね。
それとも、私は受話器の持ち方を間違えているんでしょうか?
普段は無線で通信することの方が多いので、電話を使う機会がありません。
使い方を誤っている可能性はあります。
あるいは、やはり本当に無言電話なのかもしれません。
すると。
『…瑠璃華さん、いつもそんな感じで電話、出てるの?』
と、受話器の向こうから、奏さんらしき人物の声が聞こえました。
なんと。電話をかけてきたのは、奏さんなのですか。
いえ、まだ分かりません。
電話というものは、相手の電話番号さえ分かっていれば、いつでも何処でも、誰からでもかけられるものです。
もしかしたら、良からぬことを企んでいる誰かが、私を陥れる為に。
奏さんの声を真似て、私に電話をかけてきたのかもしれません。
そして、高額の壺や味噌なんかを、売りつけてくる気かもしれません。
残念ながら、私はその手に乗ってあげる訳にはいかないのです。
「あなたは何者ですか」
『えっ』
と、電話の主は驚いたような声で言いました。
さては、しらばっくれようという作戦ですね?
「電話の向こうが見えないからといって、私を罠に嵌めようとしているのですか?」
『え?いや、何で?違うよ』
「違う…?ではあなたは何者ですか」
『俺だよ、あの、』
と、電話の主…もとい。
詐欺師は言いました。
この人物は詐欺師であると、たった今確定しました。
何故なら、私は知っているからです。
研究所にいた頃、局長に教えられました。
電話で「俺だよ俺」とか言う奴は、所謂オレオレ詐欺であると。
つまりこの電話もそうなのです。
まさか、奏さんの声を真似てまで、オレオレ詐欺を敢行するとは。
実にあっぱれ、かつ手の込んだ手腕です。
しかし、私はセキュリティ対策万全の、最新型『新世界アンドロイド』です。
まさか、オレオレ詐欺に引っ掛かる訳にはいきません。
よって、この電話は無視…。
…しようかと思ったのですが、やめました。
『…』
と、電話の向こうの人は、何故か無言でした。
…何でしょうこれは。今流行りの、無言電話という奴でしょうか。
だとしたら、私は即刻この受話器を置くべきですね。
それとも、私は受話器の持ち方を間違えているんでしょうか?
普段は無線で通信することの方が多いので、電話を使う機会がありません。
使い方を誤っている可能性はあります。
あるいは、やはり本当に無言電話なのかもしれません。
すると。
『…瑠璃華さん、いつもそんな感じで電話、出てるの?』
と、受話器の向こうから、奏さんらしき人物の声が聞こえました。
なんと。電話をかけてきたのは、奏さんなのですか。
いえ、まだ分かりません。
電話というものは、相手の電話番号さえ分かっていれば、いつでも何処でも、誰からでもかけられるものです。
もしかしたら、良からぬことを企んでいる誰かが、私を陥れる為に。
奏さんの声を真似て、私に電話をかけてきたのかもしれません。
そして、高額の壺や味噌なんかを、売りつけてくる気かもしれません。
残念ながら、私はその手に乗ってあげる訳にはいかないのです。
「あなたは何者ですか」
『えっ』
と、電話の主は驚いたような声で言いました。
さては、しらばっくれようという作戦ですね?
「電話の向こうが見えないからといって、私を罠に嵌めようとしているのですか?」
『え?いや、何で?違うよ』
「違う…?ではあなたは何者ですか」
『俺だよ、あの、』
と、電話の主…もとい。
詐欺師は言いました。
この人物は詐欺師であると、たった今確定しました。
何故なら、私は知っているからです。
研究所にいた頃、局長に教えられました。
電話で「俺だよ俺」とか言う奴は、所謂オレオレ詐欺であると。
つまりこの電話もそうなのです。
まさか、奏さんの声を真似てまで、オレオレ詐欺を敢行するとは。
実にあっぱれ、かつ手の込んだ手腕です。
しかし、私はセキュリティ対策万全の、最新型『新世界アンドロイド』です。
まさか、オレオレ詐欺に引っ掛かる訳にはいきません。
よって、この電話は無視…。
…しようかと思ったのですが、やめました。