アンドロイド・ニューワールドⅡ
…詐欺師…ではない?
「それはどういうことですか?」
『こっちの台詞だよそれは…。何で詐欺師だと思ったの?』
「そもそも、詐欺師は『自分は詐欺師である』とは言いません。私を油断させて陥れ、味噌を買わせるつもりなら…」
『買わせないよ…。何で味噌なの?さっきから…』
と、詐欺師(仮)は言いました。
「詐欺師ではないと言うなら、あなたは誰ですか?」
『俺は緋村だよ。緋村奏』
と、詐欺師…改め。
奏さんは言いました。
本当に奏さんなんでしょうか。
「奏さんなんですか?そっくりさんの声真似ではなく?」
『声真似じゃなくて、本物の奏だよ』
「本当に?対面でないからといって、私を騙していませんか?」
『騙さないよ。何なら、本人確認しても良いよ』
「本人確認ですか?」
『俺しか知らないであろうことを、いくつか質問してみてよ。ちゃんと答えるから』
と、奏さん(仮)は言いました。
成程、それなら電話越しでも、本人確認が可能ですね。
「分かりました。では、あなたの知っている私の特徴を、いくつか列挙してください」
『瑠璃華さんの特徴?焼きそばパンが好きで、深海魚と爬虫類と食虫植物に詳しい。俺と放課後にバドミントンしてくれる』
「!」
と、私は衝撃を受けました。
全部当たっています。大正解です。
これだけの情報を知っている人間は、『Neo Sanctus Floralia』の職員を除けば…。
やはり、奏さん以外にいないような気がします。
と、いうことは。
「…では、やはり奏さんなんですか?」
『そうだって言ってるじゃん…』
「オレオレ詐欺ではなく?私に味噌を売りつける訳でもなく?」
『詐欺じゃないよ。あと、振り込め詐欺と訪問販売を混同してない…?』
と、奏さん(仮)は言いました。
なんということでしょう。本当に奏さんなんですか。
「それは失礼しました。本当に奏さんなんですね」
『そうだよ。やっと分かってくれた?』
「はい、理解しました」
と、私は答えました。
まさか友人を詐欺と間違えてしまうとは、不覚です。
しかし、詐欺に遭わない為には、これくらい慎重になっておく必要もあると思います。
いつ何時、詐欺電話が掛かってくるかは分かりませんからね。
用心するに越したことはありません。
今回は、奏さんだったので良かったです。
安心してお話が出来ますね。
「それで、奏さん。今日はどうしたんですか?お電話を頂くのは初めてですね。オーバー」
『…うん。ようやく本題に入れるよ…。長かった…』
「それは申し訳ありません。オーバー」
『…あと、オーバーは言わなくて良いから。無線じゃないから』
と、奏さんは言いました。
「え?」
『あ?えぇと…うん。良いよ、もう。何でも良いや』
と、奏さんは言いました。
このとき、実は電話の向こうで、奏さんは遠い目をしていたのですが。
電話越しなので、勿論私には、知るよしもありません。
「それはどういうことですか?」
『こっちの台詞だよそれは…。何で詐欺師だと思ったの?』
「そもそも、詐欺師は『自分は詐欺師である』とは言いません。私を油断させて陥れ、味噌を買わせるつもりなら…」
『買わせないよ…。何で味噌なの?さっきから…』
と、詐欺師(仮)は言いました。
「詐欺師ではないと言うなら、あなたは誰ですか?」
『俺は緋村だよ。緋村奏』
と、詐欺師…改め。
奏さんは言いました。
本当に奏さんなんでしょうか。
「奏さんなんですか?そっくりさんの声真似ではなく?」
『声真似じゃなくて、本物の奏だよ』
「本当に?対面でないからといって、私を騙していませんか?」
『騙さないよ。何なら、本人確認しても良いよ』
「本人確認ですか?」
『俺しか知らないであろうことを、いくつか質問してみてよ。ちゃんと答えるから』
と、奏さん(仮)は言いました。
成程、それなら電話越しでも、本人確認が可能ですね。
「分かりました。では、あなたの知っている私の特徴を、いくつか列挙してください」
『瑠璃華さんの特徴?焼きそばパンが好きで、深海魚と爬虫類と食虫植物に詳しい。俺と放課後にバドミントンしてくれる』
「!」
と、私は衝撃を受けました。
全部当たっています。大正解です。
これだけの情報を知っている人間は、『Neo Sanctus Floralia』の職員を除けば…。
やはり、奏さん以外にいないような気がします。
と、いうことは。
「…では、やはり奏さんなんですか?」
『そうだって言ってるじゃん…』
「オレオレ詐欺ではなく?私に味噌を売りつける訳でもなく?」
『詐欺じゃないよ。あと、振り込め詐欺と訪問販売を混同してない…?』
と、奏さん(仮)は言いました。
なんということでしょう。本当に奏さんなんですか。
「それは失礼しました。本当に奏さんなんですね」
『そうだよ。やっと分かってくれた?』
「はい、理解しました」
と、私は答えました。
まさか友人を詐欺と間違えてしまうとは、不覚です。
しかし、詐欺に遭わない為には、これくらい慎重になっておく必要もあると思います。
いつ何時、詐欺電話が掛かってくるかは分かりませんからね。
用心するに越したことはありません。
今回は、奏さんだったので良かったです。
安心してお話が出来ますね。
「それで、奏さん。今日はどうしたんですか?お電話を頂くのは初めてですね。オーバー」
『…うん。ようやく本題に入れるよ…。長かった…』
「それは申し訳ありません。オーバー」
『…あと、オーバーは言わなくて良いから。無線じゃないから』
と、奏さんは言いました。
「え?」
『あ?えぇと…うん。良いよ、もう。何でも良いや』
と、奏さんは言いました。
このとき、実は電話の向こうで、奏さんは遠い目をしていたのですが。
電話越しなので、勿論私には、知るよしもありません。