アンドロイド・ニューワールドⅡ
昼休み。

いつものように二人で昼食を摂っているときに。

私は、明日から不登校になる宣言をしました。

やはり、何事も前もって伝えておくのが良いかと思いまして。

しかし、奏さんはこの反応です。

目を見開いて、ポカンとしています。

…どうしたのでしょうか。

何か不思議なものでも見えたのでしょうか。

私は、奏さんの視線の先に目を向けました。

…黒板がありますね。

「…奏さん。黒板と熱く見つめ合っているところ、申し訳ありません」

「…いや。俺を勝手に黒板フェチみたいに言わないでよ」

と、奏さんは我に返ったように言いました。

ようやく口を開きましたね。

先程フリーズしていたのは、何だったのでしょうか。

『新世界アンドロイド』も、極稀に、フリーズ現象を起こすことがあります。

…もしや、奏さんもアンドロイド…?

奏さんアンドロイド説が浮上しました。

「まさか、奏さんもアンドロイドだったとは。そうとも知らず半年以上、誤解していて申し訳ありませんでした」

と、私は頭を下げました。

しかし。

「ちょっと待って。だいぶおかしい。俺が勝手に黒板フェチになったり、アンドロイドになったり。俺は至ってノーマルな人間だよ」

と、奏さんは食い気味に言いました。

「…そうなのですか?」

「そうだよ」

「…そうでしたか…」

「何で、ちょっと残念そうなの…?」

と、奏さんは首を傾げました。

私には感情がないので、別に残念ではありません。

ただちょっと、落胆しただけです。
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