アンドロイド・ニューワールドⅡ
『琥珀ちゃんのことは、心配しなくて良い。私の方から、第1局の橙乃局長に話しておくよ』

と、久露花局長は言いました。

成程。

琥珀さん本人ではなく、琥珀さんの保護者に、直接話をつけるという訳ですか。

私がいくら琥珀さんに訴えかけても、聴く耳を持ちませんからね。あのアンドロイドは。

でも、橙乃局長の言うことなら、さすがに耳を貸さない訳にはいかないでしょう。

耳を貸したとして、行動を改めるかどうかは、また別の話ですが。

それに、橙乃局長ご本人も、負けず嫌いな方ですから。

久露花局長に何を言われても、琥珀さんの態度を改めさせるつもりはない、と頑固を貫く可能性もあります。

泥沼ですね。

ましてや、久露花局長は根っからの平和主義者ですからね。

きっと、強く注意することは出来ないでしょう。

橙乃局長に、上手いこと言いくるめられやしないかと、心配です。

「本当に、久露花局長で大丈夫ですか?」

『う。だ、大丈夫だよ。私だって、第4局の局長だからね。ビシッと、バシッと話をつけてくるよ』

と、局長は言いました。

何だか、頼りない気がしなくもないですが。

いずれにしても、私から橙乃局長に、連絡を取ることは出来ませんし。

諦めて、あとは久露花局長にお任せするしかありません。
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