アンドロイド・ニューワールドⅡ
そっか。やっぱり、橙乃局長も、気づいてはいたんだ。

まぁ、橙乃局長だって、琥珀ちゃんの動向を見守っているのだから。

琥珀ちゃんが何をしているのかは、橙乃局長も知るところだったろう。

さすがにそれを見て、橙乃局長もヤバいんじゃないかと判断したらしい。

まぁ、そうだよね。

登下校時に待ち構えてる、っていうのがなかなか凄いもん。

仮に恋人同士だったとしても、そこまでべったりではないと思うよ。

『これからは控えるよう、琥珀に伝えておきます』

橙乃局長は、素直にそう言った。

負けず嫌いではあるけれど。

でも、自分の非を認めない人ではない。橙乃局長は。

そこが、彼女の良いところなんだよなぁ。

そして、そんな橙乃局長にそっくりな琥珀ちゃんも同じだ。

「そうしてくれると助かる…けど」

『…けど?』

「まるっきり付き合いをなくして、とまでは言わないでよ。琥珀ちゃんと奏君が、友達であることには変わりないんだから」

ただ、距離が近過ぎるってだけ。

一定の距離を保って、友人としてお付き合いするくらいは、許されるはず。

だって友達だもんね。

それだけは、瑠璃華ちゃんも口出しは出来ない。

『…分かりました。そのように伝えておきます』

「ごめんね。宜しくね」

そう言って。

私は、無事に橙乃局長との通信を終えた。

…さて、これで私に出来ることはやった。

あとは、琥珀ちゃんがどうするか、だけど…。
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