アンドロイド・ニューワールドⅡ
飲み物を何にするかで、少し揉めましたが。

それはさておき、碧衣さんの作ってきてくれたクリスマスメニューですが。

「素晴らしい出来ですね。とても美味しいです」

「うん。こんな本格的なクリスマスメニュー、初めて食べたかも。お店の味だ」

と、私と奏さんは言いました。

クリスマスというのは、ケーキやクッキーを食べるだけの日ではなかったのですね。

今年、それを初めて知りました。

第4局のクリスマスの概念は、非常に偏っていると言わざるを得ません。

「碧衣さん、どんどん料理が上手くなってますね」

と、私は言いました。

すると。

「ふふふ。そうでしょう?もっともっと上手くなって、紺奈局長に食べてもらいたいんです」

と、碧衣さんは夢を語りました。

何事も、夢を掲げるのは良いことです。

「この腕前なら、きっと喜んで食べてくれると思うよ」

と、奏さんは言いました。

「いえ、まだまだですよ僕は」

と、碧衣さんは言いました。

謙遜ですか。

しかし、そうではありませんでした。

「もっと上手くなって、惚れ薬や媚薬が混入していても、気づかずに完食してもらえるほどに、上手くならなければ」

と、碧衣さんは言いました。

成程、それは大事ですね。

「折角薬を仕込んでも、一口目で看破されては、意味がありませんものね」

「でしょう?だから僕、もっと上手になりたいんですよね〜」

と、私と碧衣さんは言いました。

一方。

「…なんて不順な動機なんだ…。局長さん逃げて…超逃げて…」

「努力するのは結構ですが、しかし私はもっと料理上手ですから。碧衣先輩には負けません」

と、奏さんと琥珀さんは言いました。

相変わらず、琥珀さんは負けず嫌いですね。

口にはしませんが、私の料理の腕前も、お二方に負けていないと自負しています。

今度ホームパーティーを行う機会があれば、そのときは。

私の、手作りお茶漬けを持ってくるとしましょう。

皆さん、絶賛して食べてくれることと思います。
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