アンドロイド・ニューワールドⅡ
世間のクリスマス会では、一般的にプレゼント交換を行います。

そう聞いて、私達もあやかってみました。

四人共、それぞれが選んだクリスマスプレゼントを持ち寄って。

それを、四人でランダムに交換し合うのです。

ロシアンルーレットのようで、なんとも面白そうなイベントですね。

「では、全員プレゼントを提出して…。くじを作ってあるので、一人ずつ順番に、このくじを引いて、そこに書いてある名前の人物から、プレゼントを受け取ってください」

と、琥珀さんは、くじの箱を持って言いました。

成程、そういう交換の仕方なのですね。

それだと、自分の名前を引いてしまう可能性もありますが。

それはそれで、面白いかもしれませんね。

私は私のプレゼントが回ってきたとしても、充分喜べます。

プレゼントというものは、他人が受け取って喜ぶであろうものを選ぶのが基本です。

独りよがりなプレゼントは、相手を喜ばせるどころか、不快にさせるだけです。

そこで。

私は、誰もが喜んでくれること間違いなしの、素晴らしいプレゼントを選んできました。

「くじを引く順番ですが、誰から引きます?」

「僕達三人共アンドロイドですからね。ここは人間ファーストということで、トップバッターは奏さんに譲りましょう」

と、琥珀さんの問いに、碧衣さんがそう提案しました。

成程、人間ファーストですか。良いですね。

「分かりました。では、奏先輩どうぞ」

「え、いや…なんか悪いなぁ。じゃんけんで決めない?」

「私は、別にどのプレゼントでも構いませんし。奏さんどうぞ」

と、私は言いました。

遠慮することはありません。

今なら、四人のプレゼント、どれを引くも自由の、よりどりみどりです。

是非とも、奏さんが一番に選んでください。

「ごめんね、皆ありがとう。じゃあ、俺が一番に…」

と、奏さんはくじ引きのボックスに手を入れ。

その中から、くじを一枚引きました。

「よしっ、これにしよう」

と、奏さんはくじを掴んで、手を抜きました。

さて、誰のプレゼントでしょう?

「あ、瑠璃華さんだ」

と、奏さんは言いました。

私?私ですか。

真っ先に、私のプレゼントが売れてしまうとは。

しかも、奏さんに。

何だか、理由の分からない喜びが、私の胸の中に湧いてきました。
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