アンドロイド・ニューワールドⅡ
それでは、次に行きましょう。

「次は、誰が引きます?」

「そうですね…。年功序列にするか、それとも何か勝負して決めます?」

「腕相撲でも如何ですか」 

と、琥珀さんは提案しました。

勝負事となると、目の色が変わりますね、琥珀さんは。

私は、腕相撲でも構いませんよ。

しかし。

「いや、君達が腕相撲したら、テーブルが破壊されるから」

と、奏さんはグソクムシを抱いて言いました。

「平和にくじ引きして。年功序列にしよう」

と、奏さんは言いました。

年功序列ですか。

「む、奏先輩がそう仰るなら…」

「年功序列って言うと、形式番号順ですか。瑠璃華さん、僕、琥珀さんの順になりますね」

「いえ、ここは若い方に譲りますよ。琥珀さん、お先にどうぞ」

と、私は言いました。

謙譲の美徳、という奴ですね。

それに、残り物には福があると言いますし。

私は、最後で結構です。

「そうですか、ありがとうございます、瑠璃華先輩。では、私が先に引かせて頂きます」

「はい、どうぞ」

「それでは」

と、琥珀さんは言いました。

そして、くじ引きボックスの中に手を入れ。

一枚の紙を掴んで、手を引きました。

さて、あれにはどなたの名前が…?

「…誰でしたか?琥珀さん」

「奏先輩ですね」

と、琥珀さんはくじ引き用紙を見せてきました。

そこには、奏先輩、と書いてあります。

そうですか、奏さんですか。

私のプレゼントは奏さんに回り、奏さんのプレゼントは琥珀さんに回っています。

良い感じに、プレゼント交換されていますね。

「奏先輩のプレゼントですか。楽しみですね」

「いや…あんまり期待しないでね。そんな、大層なものじゃないから…」

と、奏さんは謙遜して言いました。

「奏先輩のプレゼントなら、私は何でも嬉しいです。何なら、路傍の石ころでも、それが奏先輩の選んだものであるなら、嬉しいです」

「…そこまで言ってくれるのは嬉しいけど、安心して。さすがに石ではない」

「ありがとうございます。では開けさせてもらいますね」

「どうぞ」

と、奏さんは言いました。

琥珀さんは、奏さんからもらったプレゼントの包装紙を破き始めました。

すると、その間。

碧衣さんが、私の方を向きました。

「…ちょっと悔しかったりします?」

と、碧衣さんは聞きました。

…はい?
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