アンドロイド・ニューワールドⅡ
さて、次は。

形式番号の順から言うと。

「碧衣さん、お次どうぞ」

と、私は言いました。

私が一番、番号としては古いので。

碧衣さんに、三番手を譲ります。

「ありがとうございます、ではくじ引きしま〜す」
 
と、碧衣さんは言いながら、くじ引きボックスに手を入れました。

残っているプレゼントは、琥珀さんか、碧衣さんご本人のプレゼントの二つですね。

二分の一で、自分のプレゼントを引いてしまうかもしれませんね。

どうなるでしょう。

「僕が引いたのは…あ、自分のですね」

と、碧衣さんは言いました。

自分のプレゼントを引いてしまいましたか。

「どうします?引き直しますか?」

と、私は尋ねました。
 
自分のプレゼントが回ってきたら、つまらないかと思ったのです。

私は誰のプレゼントでも結構ですので。

私が碧衣さんの、碧衣さんは琥珀さんのプレゼントをもらった方が良いかと思って、そう提案したのですが。

「いえ、それだとくじ引きの意味がなくなりますし。僕は自分のプレゼントでも充分嬉しいので、自分のプレゼントもらいますよ」

と、碧衣さんは言いました。

そうですか。

碧衣さんが良いなら、私はそれで構いません。

それにしても、自分の用意したものでも嬉しいと仰るほどのプレゼント、って。  

一体、何を用意されたのでしょう。  

「じゃ、自分のプレゼントもらいまーす。うふふ、お帰りなさい」

と、碧衣さんは言いながら、自分のプレゼントを抱き締めました。

何故だか、とても愛おしそうです。

そんなに良いプレゼントなのでしょうか。

中身が気になりますね。

すると、私と同じことを考えたのか。

「碧衣先輩は、どのようなプレゼントを用意されたのですか?」

と、琥珀さんは聞きました。

はい。私も気になっていたところです。
 
「よくぞ聞いてくれました!」

と、碧衣さんは目をきらきら輝かせて言いました。

あ、何だか不穏な予感がしますね。

聞かなかった方が良かったパターンかもしれません。

「僕の用意したプレゼントは、こちらです」

と、碧衣さんは言いながら、包装紙を開けました。

そこから出てきたのは。

「ご覧ください。僕が作った…紺奈局長ファングッズです」

と、碧衣さんは言いました。

ファングッズって何ですか、と思ったら。

「まずこちらが、Tシャツです」

と、碧衣さんは言いながら、プレゼントの中身を見せてくれました。

Tシャツですね。

何処にでも売られているような、普通のTシャツです。

しかしまさか、胸の部分に紺奈局長の顔写真がプリントされているとは。

このようなTシャツは、なかなか見たことがありませんね。

「…」

と、奏さんは無言で、「え、こいつ正気か?」みたいな顔をしていました。

大丈夫です、奏さん。

碧衣さんは、元々そういう方です。
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