アンドロイド・ニューワールドⅡ
すると。

「えっ…。本当?良いの?」

と、奏さんは聞きました。

奏さんの顔が、パッと輝きました。

そんなに嬉しかったのでしょうか?

「えぇ。イルミネーションは初めてですが」

「そ、そっか…。そっか…。…ありがとう…」

と、奏さんは言いました。

感謝されるようなこと、しましたか?

二日続けて遊びに誘うのは、気が引けたのでしょうか?

私はそのようなことは、全く気にしませんので。

遠慮なく、誘ってくださって結構ですよ。

「じゃあ、明日…明日も、また瑠璃華さんに会えるんだね」

「そうですね。…それは、そんなに大事なことですか?」

「大事なことだよ。クリスマス当日に、誰かと…ましてや、一番好きな人に…会えるんだから。こんなに嬉しいことってある?」

と、奏さんは聞きました。

どうなのでしょう。

私にとって嬉しいという感情は、学習しているとはいえ、まだまだ慣れない感情ですから。

人間にとって、何がどれほど嬉しく感じるものなのか、私には分かりません。

ただ、今の奏さんが、とても喜んでいることだけは、よく分かります。

私は誰より、奏さんの近くにいますから。

「じゃあ、明日も迎えに来ますね」

「うん。イルミネーションは夕方遅くに始まるから…。夕方の6時くらいに、来てもらって良いかな」

「了解しました」

と、私は言いました。

今日はクリスマス会で、明日は奏さんと電飾祭りですか。

楽しみですね。

何だか、とても贅沢なような気がします。
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