アンドロイド・ニューワールドⅡ
「じゃ、僕達は行きますね。瑠璃華さん、奏さんも、また今度」

と、碧衣さんは言いました。

「はい。また会いましょう」

「うん…。また今度」

と、私と奏さんは言いました。

ちょっと、奏さんの元気がありませんね。

どうかしたのでしょうか。

私と奏さんは、碧衣さんとその彼女の背中を見送りました。

ご覧ください、あの二人。

なんと、手を繋いで歩いています。

何だか、恋人同士のようですね。

いえ、まぁ恋人同士なのですが。

「…彼女には、結構紳士的なんだね、碧衣さん」

と、奏さんは呟きました。

「そうですね」

「でも…あの彼女って、パフォーマンスで付き合ってるだけで、彼の本命って…」

「紺奈局長ですね」

「…だよね…」

と、奏さんは言いました。

えぇ、彼の本命は、いつだって紺奈局長です。

碧衣さんにとって、それ以外の人物など、所詮それ以外でしかありません。

碧衣さんは、そういう方です。

「あんな美人な女性を、騙して付き合ってるってことだよね…?」

「そうなりますね」

「…やっぱり犯罪だよ…」

と、奏さんは呟きました。

今度、碧衣さんに伝えておきますね。
< 369 / 467 >

この作品をシェア

pagetop