アンドロイド・ニューワールドⅡ
「奏さん…大丈夫ですか?」
と、私は奏さんに聞きました。
「…」
と、奏さんは私の質問には答えずに、無言でした。
無言ということは、大丈夫ではないということなのでしょうか。
「私はどうしたら良いですか?」
と、私は聞きました。
奏さんの為に出来ることがあるなら、私は何でもしましょう。
親友ですから。
すると。
「…分かってるよ。俺が瑠璃華さんの隣にいることが、どれだけ分不相応なことか…」
と、奏さんは小声で呟きました。
はい?
…いきなりどうされたのでしょう、奏さんは。
「奏さん、大丈夫ですか?」
と、私は再度尋ねました。
すると。
「…うん、平気だよ」
と、奏さんは答えました。
そうですか。
ひとまず、返事を得られたので良しとします。
「一体何者なのですか、彼は」
と、私は聞きました。
「さっきも言った通り、小学校のときのクラスメイト…」
「奏さんのご友人ですか?」
「いいや、クラスメイトだったってだけで、友達じゃない」
と、奏さんは言いました。
なんと、そうだったのですか。
とんでもない誤解をしていたのは、私だったのですね。
てっきり、奏さんの旧友かと思っていました。
「…俺さ、逃げる為に、星屑学園を受験したんだよね」
と、奏さんは非常に唐突に、そう語りました。
いきなり、一体何の話ですか。
逃げる為?
「小学校のときから、同級生にからかわれたり、馬鹿にされたり…いじめられたりしてたんだ」
と、奏さんは告白しました。
…。
「それが嫌で、自分のこと知ってる人がいない学校に行きたくて、地元の公立中学じゃなくて、わざわざ私立の星屑学園を受験したんだ」
「…」
「…でも無駄だった。何処に行っても俺は邪魔者だし、厄介者のお荷物で…。それは何処に行っても、変わらないんだよね」
と、奏さんは、薄ら笑いを浮かべて言いました。
とても、切ない笑顔です。
見るに堪えない、とはこのことを言うのかもしれません。
「奏さんはお荷物ではありません。私の親友です」
と、私は言いました。
奏さんが、自分に対してどのような評価を下すかは、奏さん次第ですが。
しかし、少なくとも私にとって。
奏さんは、決して鼻つまみ者でも、邪魔者でも、厄介者でも、お荷物でもありません。
れっきとした、私の初めての、一番の親友です。
それだけは、変わりない、揺るがない事実です。
「うん…瑠璃華さんはそう言ってくれるよね。ありがとう…」
「はい」
「でも、そんな瑠璃華さんの優しさを感じる度に…。俺は罪悪感に駆られるよ。俺みたいな人間は、瑠璃華さんの隣にいちゃいけないんだって」
「…はい?」
と、私は尋ね返しました。
何ですか、それは。
意味不明、理解不能です。
「いつも守られてるだけ、庇ってもらってるだけなのが、凄く…凄く悔しい」
と、奏さんは言いました。
…理解不能です。
「…いつも俺に付き合ってもらって…。ごめんね、瑠璃華さん」
と、奏さんは言いました。
理解不能です。
奏さんの気持ちを、理解する努力をしようと決めたばかりなのに。
それでもなお、理解不能です。
何故謝るのですか。
奏さんは、何も悪いことはしていないでしょうに。
しかし。
「本当ごめん…。ごめんね、瑠璃華さん」
と、奏さんは謝るばかりでした。
と、私は奏さんに聞きました。
「…」
と、奏さんは私の質問には答えずに、無言でした。
無言ということは、大丈夫ではないということなのでしょうか。
「私はどうしたら良いですか?」
と、私は聞きました。
奏さんの為に出来ることがあるなら、私は何でもしましょう。
親友ですから。
すると。
「…分かってるよ。俺が瑠璃華さんの隣にいることが、どれだけ分不相応なことか…」
と、奏さんは小声で呟きました。
はい?
…いきなりどうされたのでしょう、奏さんは。
「奏さん、大丈夫ですか?」
と、私は再度尋ねました。
すると。
「…うん、平気だよ」
と、奏さんは答えました。
そうですか。
ひとまず、返事を得られたので良しとします。
「一体何者なのですか、彼は」
と、私は聞きました。
「さっきも言った通り、小学校のときのクラスメイト…」
「奏さんのご友人ですか?」
「いいや、クラスメイトだったってだけで、友達じゃない」
と、奏さんは言いました。
なんと、そうだったのですか。
とんでもない誤解をしていたのは、私だったのですね。
てっきり、奏さんの旧友かと思っていました。
「…俺さ、逃げる為に、星屑学園を受験したんだよね」
と、奏さんは非常に唐突に、そう語りました。
いきなり、一体何の話ですか。
逃げる為?
「小学校のときから、同級生にからかわれたり、馬鹿にされたり…いじめられたりしてたんだ」
と、奏さんは告白しました。
…。
「それが嫌で、自分のこと知ってる人がいない学校に行きたくて、地元の公立中学じゃなくて、わざわざ私立の星屑学園を受験したんだ」
「…」
「…でも無駄だった。何処に行っても俺は邪魔者だし、厄介者のお荷物で…。それは何処に行っても、変わらないんだよね」
と、奏さんは、薄ら笑いを浮かべて言いました。
とても、切ない笑顔です。
見るに堪えない、とはこのことを言うのかもしれません。
「奏さんはお荷物ではありません。私の親友です」
と、私は言いました。
奏さんが、自分に対してどのような評価を下すかは、奏さん次第ですが。
しかし、少なくとも私にとって。
奏さんは、決して鼻つまみ者でも、邪魔者でも、厄介者でも、お荷物でもありません。
れっきとした、私の初めての、一番の親友です。
それだけは、変わりない、揺るがない事実です。
「うん…瑠璃華さんはそう言ってくれるよね。ありがとう…」
「はい」
「でも、そんな瑠璃華さんの優しさを感じる度に…。俺は罪悪感に駆られるよ。俺みたいな人間は、瑠璃華さんの隣にいちゃいけないんだって」
「…はい?」
と、私は尋ね返しました。
何ですか、それは。
意味不明、理解不能です。
「いつも守られてるだけ、庇ってもらってるだけなのが、凄く…凄く悔しい」
と、奏さんは言いました。
…理解不能です。
「…いつも俺に付き合ってもらって…。ごめんね、瑠璃華さん」
と、奏さんは言いました。
理解不能です。
奏さんの気持ちを、理解する努力をしようと決めたばかりなのに。
それでもなお、理解不能です。
何故謝るのですか。
奏さんは、何も悪いことはしていないでしょうに。
しかし。
「本当ごめん…。ごめんね、瑠璃華さん」
と、奏さんは謝るばかりでした。