アンドロイド・ニューワールドⅡ
それからの数日間。
私は、もぬけの殻でした。
比喩ではなく、本当にもぬけの殻でした。
何かを考えようと思っても、何も考えられないのです。
頭と身体が、彼方に吹き飛んでしまったような錯覚を覚えます。
そのような訳なので。
「はい、じゃあ2行目から…久露花さん、読んでください」
と、教師が名指しで私を呼んでも。
「…」
と、私は全く気づかず、無言でした。
「…久露花さん?聞いてますか?」
「…」
「久露花さん、久露花さん!教科書を読んで」
「…」
「久露花さん!」
「…スリープモードに入ります」
「久露花さん!?」
と、いう教師とのやり取りも、私は聞いていませんでしたし。
「電波ちゃん、この間渡しといたアンケート用紙、もう書いた?」
と、隣の席で、クラス委員の湯野さんは言いました。
が、やはり私の耳には届いていませんでした。
「…」
「書いたなら、早く渡して」
「…」
「…ちょっと。電波ちゃん聞いてる?」
「…」
「電波ちゃんってば!」
「…スリープモードに入ります」
「は!?」
と、いう湯野さんとのやり取りも、私は聞いていませんでしたし。
極めつけは。
『やっほー瑠璃華ちゃん!もうすぐバレンタインだね〜!』
と、久露花局長は、画面の向こうで言いました。
が、それも当然、私の耳には届いていませんでした。
私は、もぬけの殻でした。
比喩ではなく、本当にもぬけの殻でした。
何かを考えようと思っても、何も考えられないのです。
頭と身体が、彼方に吹き飛んでしまったような錯覚を覚えます。
そのような訳なので。
「はい、じゃあ2行目から…久露花さん、読んでください」
と、教師が名指しで私を呼んでも。
「…」
と、私は全く気づかず、無言でした。
「…久露花さん?聞いてますか?」
「…」
「久露花さん、久露花さん!教科書を読んで」
「…」
「久露花さん!」
「…スリープモードに入ります」
「久露花さん!?」
と、いう教師とのやり取りも、私は聞いていませんでしたし。
「電波ちゃん、この間渡しといたアンケート用紙、もう書いた?」
と、隣の席で、クラス委員の湯野さんは言いました。
が、やはり私の耳には届いていませんでした。
「…」
「書いたなら、早く渡して」
「…」
「…ちょっと。電波ちゃん聞いてる?」
「…」
「電波ちゃんってば!」
「…スリープモードに入ります」
「は!?」
と、いう湯野さんとのやり取りも、私は聞いていませんでしたし。
極めつけは。
『やっほー瑠璃華ちゃん!もうすぐバレンタインだね〜!』
と、久露花局長は、画面の向こうで言いました。
が、それも当然、私の耳には届いていませんでした。