アンドロイド・ニューワールドⅡ
ですが、奏さんにいなくなって欲しくないというのは、完全に私一人の我儘です。
奏さんの幸せを願うなら、私はこの悲しみを克服する必要があるのです。
「どうぞ私のことは気にせず、奏さんが幸せになれる選択をしてください」
「…」
「例えどれほど悲しくても…。奏さんが何処かで幸せに暮らしているのだと思えば、私はいつか、必ず…時間がかかっても、いつかきっと、この悲しみを乗り越えられます。必ず」
と、私は言いました。
乗り越えてみせます。きっと。
時間はかかるでしょう。いつのことになるかは分かりません。
でもきっと、奏さんを送り出したことを、後悔はしないでしょう。
だから。
「私の親友になってくれて、ありがとうございました。私のアンドロイド生初の友達が奏さんで、本当に良かったです」
と、私は言いました。
自分の心に、素直に。
伝えたいことを、そのまま伝えました。
「…そっか」
と、奏さんはポツリと言いました。
「俺、ずっと一方通行だと思ってた」
と、奏さんは言いました。
…はい?
…一方通行?
私は、周囲を見渡しました。
…一方通行の道路なんて、何処にも見当たりませんよ。
「俺の気持ちはずっと一方通行で、瑠璃華さんにとっては、俺は大した存在じゃないんだって…。でも、そうじゃなかったんだ」
と、奏さんは言いました。
気持ちが一方通行って、それはどういう意味ですか。
「瑠璃華さんも、同じだけ俺のことを思ってくれてたんだ。いなくなったら寂しいって、そう思ってくれてたんだ」
「…それは…はい、そうですね」
「…ありがとう。それを知れて良かった」
と、奏さんは言って、微笑みました。
「…これで、俺も決心がついたよ」
と、奏さんは言いました。
…決心…そうですか。
覚悟されましたか。ようやく。
「…分かりました」
と、私は言いました。
私も、もう後悔はありません。
偽りなき思いを、ちゃんと伝えましたから。
例え、もう二度と奏さんに会うことが出来なくなったとしても。
それでも私は、もう後悔しません。
奏さんの幸せを願うなら、私はこの悲しみを克服する必要があるのです。
「どうぞ私のことは気にせず、奏さんが幸せになれる選択をしてください」
「…」
「例えどれほど悲しくても…。奏さんが何処かで幸せに暮らしているのだと思えば、私はいつか、必ず…時間がかかっても、いつかきっと、この悲しみを乗り越えられます。必ず」
と、私は言いました。
乗り越えてみせます。きっと。
時間はかかるでしょう。いつのことになるかは分かりません。
でもきっと、奏さんを送り出したことを、後悔はしないでしょう。
だから。
「私の親友になってくれて、ありがとうございました。私のアンドロイド生初の友達が奏さんで、本当に良かったです」
と、私は言いました。
自分の心に、素直に。
伝えたいことを、そのまま伝えました。
「…そっか」
と、奏さんはポツリと言いました。
「俺、ずっと一方通行だと思ってた」
と、奏さんは言いました。
…はい?
…一方通行?
私は、周囲を見渡しました。
…一方通行の道路なんて、何処にも見当たりませんよ。
「俺の気持ちはずっと一方通行で、瑠璃華さんにとっては、俺は大した存在じゃないんだって…。でも、そうじゃなかったんだ」
と、奏さんは言いました。
気持ちが一方通行って、それはどういう意味ですか。
「瑠璃華さんも、同じだけ俺のことを思ってくれてたんだ。いなくなったら寂しいって、そう思ってくれてたんだ」
「…それは…はい、そうですね」
「…ありがとう。それを知れて良かった」
と、奏さんは言って、微笑みました。
「…これで、俺も決心がついたよ」
と、奏さんは言いました。
…決心…そうですか。
覚悟されましたか。ようやく。
「…分かりました」
と、私は言いました。
私も、もう後悔はありません。
偽りなき思いを、ちゃんと伝えましたから。
例え、もう二度と奏さんに会うことが出来なくなったとしても。
それでも私は、もう後悔しません。