アンドロイド・ニューワールドⅡ
「ごめんね、瑠璃華さん…」

と、奏さんはホームルームが終わるなり、私のもとに来て言いました。

いきなり、一体何の謝罪でしょう。

「どうしましたか?」

「いや、どうって…。遠足のこと…」

と、奏さんは呟きました。

遠足?

「遠足がどうかしました?」

「…こういうこと、瑠璃華さんは全然気にしないからなぁ…。良い人だよ」

と、奏さんは言いました。

私は人ではなく、アンドロイドですので。

良いアンドロイド、と言ってください。

「ご安心ください。例え行き先がエベレストでも、キラウエア火山でも、奏さんを連れていきますから」

「うん、ありがとう。でもその二つは絶対有り得ないからね。そもそも、候補に入ってなかったでしょ…」

と、奏さんは呟きました。

「大船に乗ったつもりで、どんと構えていてくださいね」

「…ちょっと不安の残る船だけど、うん。乗るよ…」

と、奏さんは心許なさそうに言いました。

私に心はありませんが、心外です。
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