アンドロイド・ニューワールドⅡ
さて、それはともかく。

私の所属する第4グループは、私と湯野さんを含む女子生徒4人、男子生徒2人を含む、計6人のグループです。

「皆さん、宜しくお願いします。どんな課題かは分かりませんが、頑張りましょう」

と、私は同じグループの皆さんに挨拶しました。

やはり、ファーストコンタクトは大事ですから。

ファーストコンタクトと言っても、先程まで同じ教室にいた仲なのですが。

すると。

「…」

と、湯野さんを含む、私と同じグループのクラスメイトは、無言でした。

そして、ジロリと私を見ただけでした。

随分と、無愛想な態度です。

私と友好的に接するつもりはない、という意思表示なのでしょうか。

しかし、同じグループに配属されてしまった以上、最低限のコミュニケーションは必要だと思うのですが。

すると。

「はい。じゃあ課題の説明をします」

と、生物教師は言いました。

「今日から5回の授業の中で、それぞれグループ別に、課題に沿ったテーマ考えて、グループでレポートを提出してもらいます」

と、生物教師は説明しました。

成程、今までにない試みですね。

この教師は、こういう授業のやり方をするタイプなのかもしれません。

「今回のテーマは、ずばり『生物』です」

と、生物教師は言いました。

まさに、ずばり生物の授業らしいテーマですね。

「生物なら何でも良いですよ。グループのメンバーと話し合って決めて、図書室等で調べて、この模造紙をいっぱいにしてください」

と、生物教師は言いながら。

大きな白紙の模造紙を、皆に見せました。

成程、結構大きいですね。

でも、グループで取り組む課題だと思うと、そこまで大変ではないのかもしれません。

それに何より、いつもの課題とは目先が違っていて、私はとても興味深いです。

…が。

「…」

と、私のグループのクラスメイト含め。

一年Aクラスの生徒達は、溜め息でもつきたそうな顔をして、生物教師の説明を聞いていました。

どうやら皆さん、そこまでこの課題に意欲的ではないようです。

「それじゃ、期限までに必ず提出すること。説明は以上です!」

と、生物教師は言いました。
< 65 / 467 >

この作品をシェア

pagetop