アンドロイド・ニューワールドⅡ
皆さんが乗り気であろうとあるまいと、課題が出たことに変わりはありません。

しかも、これはグループ課題です。

一人が「面倒臭い」と言ってやらなければ、他のグループメンバーに負担がのしかかります。

一人の責任では済まないという訳です。

これがグループ課題の辛いところですね。

下手をしたら、自分のみならず、クラスメイトの成績まで下げてしまうことになりかねません。

それは避けたいところです。

よって。

私はこのグループ課題、真面目に取り組むことにします。

まずは、その第一歩として。

「それでは皆さん、まずはテーマを決めましょう」

と、私は自ら率先して、第4グループのメンバーに声をかけました。

彼らは、ジロリと私を睨みました。

「お題は生物。とても広義に解釈出来ますね。それだけ、テーマの幅は広がりますが、決めるのが難しいとも言えます。皆さん、何か意見は…」

と、私は言いかけました。

すると、湯野さんが、不満そうな顔でこちらを睨み、

「何でアンタが仕切ってるのよ」

と、言いました。

仕切る?

そんなつもりはありませんでしたが。

誰かが率先して話を進めないと、このまま遅々として進まないかと思いまして。

「何で、アンタの言いなりにならなきゃいけないの?」

「仕切ったつもりはなかったのですが…。不満でしょうか?では、湯野さんが代わって頂いて結構ですよ」

と、私は言いました。

別に、言いなりにさせたい訳ではありませんから。

課題が滞りなく進むのなら、リーダーなど誰でも結構です。

そもそも、グループのリーダーを決めなさい、という指示は出ていませんからね。

リーダーを決めても良し、決めなくても良し、ということなのでしょう。

とても自由度の高い課題ですね。

すると。

「別に、リーダーになりたい訳じゃないし」

と、湯野さんは言いました。

「そうなんですか」

「ただ、アンタの言いなりになるのが嫌なだけよ」

「そうなんですか」

と、私は言いました。

「別に言いなりになる必要はありませんよ。何でも、思ったことがあるなら言ってください」

と、私は言いました…が。

湯野さんは、ふんと鼻を鳴らしてそっぽを向きました。

どうも彼女は、私に耐する敵愾心が強いように感じます。

あだ名までつけてもらったのに…。何故ここまで攻撃的なのか。

理解に苦しみますね。

生理前なのでしょうか。
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