アンドロイド・ニューワールドⅡ
さて、時は続いて昼休み。

私は、およそ一ヶ月半ぶりに…。

「…お久し振りですね、焼きそばパン…。あなたの姿を見るのは、随分久し振りです」

「…うん、瑠璃華さん」

「相変わらず、360度何処から見ても、真っ茶色のフォルム…溢れんばかりに挟まれた焼きそば。なんと威厳と貫禄のある姿でしょう」

「うん、分かったから。瑠璃華さん」

「この一ヶ月半、私は夏休みの経験を通して、より人間らしさを学びました。焼きそばパン、あなたは…この一ヶ月半でどれほど変わったのか…。実食して、調べさせて頂きます」

「…瑠璃華さん…」

「もぐ」

「…どう?何か変わってる?」

と、奏さんは尋ねました。

しかし。

「…何も変わっていませんね」

「…だろうね」

と、奏さんは言いました。

残念ながらこの焼きそばパンは、夏休みの間に、何の変貌を遂げることもなかったようです。

安心したような、がっかりしたような…何とも言えない気分ですね。
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