アンドロイド・ニューワールドⅡ
どうやら第4グループの女子生徒達は、課題を進める気がないように見えます。

次の、三回目の授業から本気を出すつもりなのでしょうか。

その意気込みは高く買いますが、課題を後回しにするというのは、どうなのでしょう。

…では。

「お二人はどう思われますか?」

と、私は残る男子生徒二人に、声をかけました。

女子生徒三人は駄目でも、男子生徒お二人なら、違う意見を持ちかと思ったのです。

しかし。

「…」

と、スマートフォンを弄っていた男子生徒は、私の声が聞こえなかったようで、スルーしていました。

更にもう一人、外国語の課題に取り組んでいた男子生徒も。

「…」

と、無言でこちらをちらり、と一瞥したのみで、何も言葉は発しませんでした。
 
静かな方々ですね。

それとも、よく聞こえなかったのでしょうか。

それはよくあることです。

では、もう一度尋ねてみましょう。

「お二人はどう思われますか?」

と、私は聞きました。

すると。

「…うぜー」

と、スマートフォン男子生徒は、一言言いました。

うぜー。知ってますよ。若者言葉「ウザい」の変化形ですね。

しかし、私の質問の、何がウザいのでしょう。

理解不能です。

そして。

「知らない。一人でやってれば?」

と、外国語の勉強をしていた男子生徒は言いました。

彼は、まともに会話をしてくれそうですね。

「何故一人でやるのですか?これはグループ課題なのでは?」

と、私は聞きました。

この6人で行う課題を、何故私が一人で行うのか、理解出来ません。

そして、もっと理解出来ないことがあります。
 
「どうしてお二人は、生物の授業と関係のないことをしているのですか?」

と、私はずっと気になっていたことを尋ねました。

すると。

「いちいち口出ししてくるなよ。鬱陶しい」

と、外国語の勉強をしている男子生徒は言いました。

更に。

「グループ課題なんて知らね。やりたいなら、一人でやれば?」

と、続けて言いました。

成程、そういうことですか。

自分達は全くやる気はないので、やる気のある者が勝手にやれ、と。

そういう意思表示だったのですね。それは失礼しました。
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