アンドロイド・ニューワールドⅡ
「成程、理解しました。しかし、やる気のない方々を、どうやってやる気にしたものでしょうか」

「うーん…。…次の生物の授業は、明後日だよね?」

「はい」

と、私は答えました。

三回目の授業ですね。

「そこまで来たら、そろそろ焦り出すんじゃないかな。もう折り返しを過ぎるし。他のグループも、かなり進んでるし…」

「ちなみに奏さんのグループは、何処まで進んでいるのですか?」

「あ、うん。水の中に住んでる生き物の、おおまかな分類分けをして…。図をまとめたり、写真を集めたりしてるところ」

と、奏さんは答えました。

成程、かなり順調に進んでいるようですね。

「でも、古代魚について調べるには、まだ時間が足りなさそうだから…。明日の放課後、授業はないけど、皆で集まって調べ物しようって話になってる」

と、奏さんは言いました。

なんと。授業外活動ですか。

素晴らしい課題への意欲ですね。

私のグループも、少しは見習うべきだと思います。

「成程。皆さん、着々と準備を進められているのですね」

「うん。他のグループも、放課後に集まったり、朝の時間に集まって課題に取り組んでるみたいだよ」

と、奏さんは教えてくれました。

成程、そんな中、まだテーマすら決まっていない第4グループは、まさに尻に火がついた状態ということですね。

奏さんが、不味いと言って心配してくれる訳です。

取り返しがつかないところまで、置いていかれているようです。

「急いだ方が良いということですね、私達も」

「うん…。湯野さん達相手じゃ、キツいかもしれないけど…。頑張って」

「はい、分かりました」

と、私は答えました。

いくら、課題にやる気がなくとも。

湯野さんと怠惰なグループメンバー達も、そろそろ焦り出し、動き始めることでしょう。

ならば、私に出来ることは…。

一つ、考えが浮かびました。
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