アンドロイド・ニューワールドⅡ
それから、加えて言わせて頂きますと。

「他科目の課題には、真面目に取り組んでいるのに…。何故生物の課題は全く無関心なのですか?生物の科目が嫌いなのですか」

「放っとけよ!」

と、数字の課題に取り組んでいた男子生徒は怒鳴りました。

「分かりました。それから皆さん、スローライフ精神豊かなのは、とても良いことだと思いますが。学生たる者、本分は勉学なのですから、例えやる気がなくとも、少しは真面目に課題に取り組む姿勢を見せては如何でしょう」

と、私は提案しました。

私のように、『人間交流プログラム』の一環として、学生生活を送っているのならまだしも。

彼らの場合、この学生生活が本分であり、学生であるからには、勉学を納めるのが仕事のはずです。

その一環である課題を、このように無為に扱うのは、頂けません。

折角課題を考えて、生徒達が真面目に取り組むことを期待している生物教師も、がっかりするでしょうしね。

彼らにやる気がないのは、致し方ないことですが。

しかし、これはグループ課題です。

課題に取り組まなかったとして、迷惑、被害を被るのは、自分だけではありません。

グループ6人、全員の評価に関わるのです。

ますます、無視して良いものではないと思うのですが。

その辺りのところは、皆さんどのようにお考えなのでしょう。

「は…?うざっ…」

と、湯野さんは早速、感想を述べました。

ご意見ありがとうございます。

「課題課題って、何なの?どうでも良いし。そんなの」

「ね。適当で良いじゃん」

と、他お二人の女子生徒は言いました。

こちらも、ご意見ありがとうございます。

適当も何も、テーマすら決まっていない状態なのですが。

「お前、マジうざいんだけど」

と、スマートフォン男子生徒は言いました。

そうでした。彼にも言いたいことがあったのでした。

「あなたは、この生物の授業中ずっと、スマートフォンを弄っていますね」

「は?それが何だよ」

「授業中に携帯機器を触るのは、校則に違反しているはずです。褒められた態度とは言えません」

「…!」

と、スマートフォン男子生徒は、目を見開きました。

もしかして、校則について知らなかったのでしょうか。

編入学生である私の方が、校則に詳しいとは。

「従って、そのような態度は即刻…」

「…うるせぇな。中二病野郎に口出しされたくねぇんだよ!」

と、スマートフォン男子生徒は言いました。

これはもしかして、世に言う。

逆ギレ、という奴でしょうか。

多感な高校生ですから。逆ギレの一つや二つもするでしょう。可愛いものです。

「そんなに課題がやりたきゃ、一人でやってろよ!」

と、彼は続けてそう言いました。

成程、ご意見ありがとうございます。
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