アンドロイド・ニューワールドⅡ
その日の放課後。

県立図書館に足を伸ばした私は、徹底的に毒キノコについて調べました。

そこにはなんと、私の愛読書シリーズ、あの『猿でも分かる!』シリーズから、

『猿でも分かる!初心者の毒キノコ』という本を発見しました。

これは僥倖だと判断した私は、その本を熟読しました。

調べてみたところ、このシリーズから、『猿でも分かる!中級者の毒キノコ』、『猿でも分かる!上級者の毒キノコ』という本も出版されていたことが分かりました。

これは読まねばならないと判断した私は、急遽、『Neo Sanctus Floralia』第4局に連絡を入れました。

『ど、どうしたの瑠璃華ちゃん?』

と、慌てた様子の久露花局長に、

「久露花局長、至急、『Neo Sanctus Floralia』の図書室から、『猿でも分かる!中級者の毒キノコ』、『猿でも分かる!上級者の毒キノコ』という本がないかどうか、調べてください」

と、私は頼みました。

そのとき、久露花局長はたっぷり20秒は、無言で硬直していました。

そこで、学校の課題で、至急この二冊の本が必要なのだと説明しましたところ、

『そ、そうなの…?毒キノコの本が…?何があったんだ瑠璃華ちゃん…』

と、久露花局長はもごもごと言いました。

そして、すぐに朝比奈副局長に指示して、『Neo Sanctus Floralia』の図書室にある蔵書の中から、該当する本がないか、調べてもらいました。

これで、この本が見つからなかったら残念でしたが。

さすがは、『Neo Sanctus Floralia』の図書室。

なんと、該当する書物が、ちゃんと見つかりました。

私は、久露花局長から許可をもらい、『Neo Sanctus Floralia』の図書室のデータベースに入り。

電子書籍化された、この二冊の本を閲覧しました。

とても興味深い本でした。

これらの優れた資料のお陰で、私は一晩を返上して、レポートを書き上げることに成功しました。

私のグループは、一夜にして。

課題に一番遅れていたグループから、一番乗りで課題を提出したグループに変わったのでした。
< 86 / 467 >

この作品をシェア

pagetop