アンドロイド・ニューワールドⅡ
…しかし。

そのように浮かれていた私とは裏腹に。

奏さんの車椅子を押して、教室に帰ろうとする私の背中を睨みながら。

「…何あいつ。本当ムカつく」

と、湯野さんは憎々しげに、そう呟いていました。

勿論『新世界アンドロイド』の集音性の高さ故に、このときの湯野さんの呟きは、私の耳にも入っていましたが。

そのときの私は、焼きそばパンに目が眩んでいたので。

そして、湯野さんがどのような感想を抱こうと、私には関心のないことなので。

そのまま、無視していました。




< 90 / 467 >

この作品をシェア

pagetop